世界で急成長を遂げている再販市場には常に新いプレイヤーが参入している。その中でも注目を集めているのが、ロンドンに拠点をおくTwigだ。欧米にはリトアニア発のVintedやロンドンが拠点のDepopなど先行するフリマアプリプレイヤーがいるが、後発のTwigは他社にない強みを持っている。取引に要する時間が圧倒的に短いのだ。このアプリはわずか30秒で自宅のクローゼットを銀行口座に変えてしまう。
イギリスTwig(ツィッグ)
Twigが実現した再販によるフィンテックビジネス
iPhoneにおけるTwigの取引プロセスのイメージ
40以上の中古品販売業者と提携
IT技術で待ち時間ほぼゼロを実現
売りたい服やバッグなどのアイテムをTwigに登録すると、30秒程度で買い取りオファーが画面に提示される。その価格に納得すれば即座に取引完了だ。一般的なフリマアプリでは買い手が個人のため、決まるまで数日から1週間以上かかるのが普通だ。Twigの場合、40以上の中古品販売業者とのネットワークを構築しており、機械学習を用いたアルゴリズムによって、待ち時間ほぼゼロを実現した。画期的なのはそれだけではない。Twigから振り込まれた代金を他のショッピングの支払い代金に充てることができるのだ。
ターゲットはミレニアル世代やZ世代
彼らは古い物を売却して新品を買う
「私たちはこのシステムを再販とは呼ばず、キャッシュバック・イネーブラーと呼んでいます」と創設者Geri Cupi氏は述べている。「ミレニアル世代やZ世代が登場し、消費に対する見方に構造的な変化がありました。彼らはアイテムを購入する前にどれだけ再販できるかをチェックしています。手持ちのアイテムを販売し、その資金を新しいアイテム購入に充てているのです。Twigはそのプロセスを合理化し、単一のプラットフォームで簡単に実行できるようにしたものです」。
第546号(2022/10/25発行)20面