古書店兼図書館の「蔵と書」(新潟県三島郡)は、新潟県出雲崎町の地域おこし協力隊の石坂優さんが運営を手掛けている。全く人脈もない状態にも関わらず、構想からわずか5ヵ月で開店。SNSを積極的に活用し、地域の内外から人を巻き込んできた。
SNS活用で地域巻き込み
本のない町に本屋
蔵書は約1000冊だ
同店は蔵書の3~4割を古本(販売)用、6~7割を図書館(店内での閲覧・貸出し)用として提供する。人口4200人ばかりの小さな町に、多い日で1日30人ほどが訪れる。「本屋のない町」と言われる同町に突如としてお披露目したという新奇性も手伝って、地域内外のメディアから現在多数取り上げられている。店主で地域おこし協力隊の石坂優さんは、ブックディレクターとして都内で活躍した経験を生かし、着任から半年足らずで同店を開いた。
とはいえ最初からうまく事が運んだとも言えないようだ。「二十数年都会で暮らしてきて車の運転もしてこなかった。出雲崎では何もできないということを痛感するばかりだった」と石坂さん。
蔵を店として再利用している
第546号(2022/10/25発行)21面