今から約27年前に発売され、女子高生の間で大ブームを巻き起こしたたまごっち。海外でも知られておりアメリカ版が発売されるなど人気が高いが、国内でも再びブームの兆しがある。オークファンの調査では、相場が定価の2倍の価格に上がっているものもある。なぜ今たまごっちが注目を集めているのだろうか。
- 「たまごっち」とは
- 1996年11月にバンダイから発売された、デジタルペット育成ゲーム。たまごの形をした手のひらサイズのおもちゃで、液晶画面の中で生き物(=たまごっち)を育てる。発売された際は一大ブームとなった。以降、キャラクターやイベント、機能が増えたり画面がカラーになったりと様々な進化をとげ、シリーズ化している。
初代シリーズは定価の1.5倍に高騰
かつてのユーザーがたまごっち回帰
初代のたまごっち。台湾版も発売されている
トレンドの背景には、発売当時に遊んでいたユーザーからの需要が高くなっている状況がある。
駿河屋新宿マルイアネックス店(運営:エーツー、静岡県静岡市)の糸長健悟店長は「40代の人が多い気がします」と話す。40代というと、たまごっち史上一番のブームの時代に遊んでいたと言われている年齢層だ。
また、ロボットロボット(東京都中野区)売り場担当の舘マリカ氏は「たまごっちを買っていくのは、20代半ばの人が多い印象です。ちょうど、ケーたま・エンたま世代ですね」と話す。ケーたま・エンたまはそれぞれ2004年・2005年の発売。この後のタイミングでゲームソフトが発売したり、アニメが始まったりするなどたまごっちの勢いが強かった時期だ。同店では、たまごっちがいつもより多く入荷した当日、飛ぶように売れたという。その日の売上の約半分をたまごっちが占めていた。注目度の高さがうかがえる。
第555号(2023/03/10発行)11面