BOOK SPACE あらえみし、古本&新刊&旧譜の新業態
2023年04月30日
出版社 荒蝦夷(あらえみし:宮城県仙台市)が中心となって開店した新店舗「BOOK SPACE あらえみし」が話題だ。仙台フォーラスと呼ばれるファッションビルのテナントに入っており、取扱商材は古書・新刊・中古レコードなどと多種多様。同社が長年出版社として事業を営む中で得た本の蔵書や人脈などを活用した形で、新しい業態として注目を集めている。
本業のつてを駆使し、仲間募る
出版不況での生き残り策
ファッションビルのテナントに入っている
フリーのライター・編集者として活躍する土方正志さんは05年に出版社荒蝦夷を設立し、今では地域に根差した出版社として震災の記録などに関する書籍を扱っている。本を制作するにあたって集めた資料や個人的な蔵書が相当数になり、それを整理する目的も兼ねて19年に別事業として古書店「古本あらえみし」を開業。現在は2店舗を構え、東北地方を中心に古本催事にも積極出店する。一昨年には商業施設イービーンズにて、古書店が複数店集まって運営する合同店舗「仙台古本倶楽部」に参加した。そして今年3月にはファッションビル フォーラスにて新業態「BOOK SPACE あらえみし(以下、同スペース)」を開店。「展開する事業こそ様々だが、中心には本がある。出版社が本の小売りをすること自体はよくあるが、それが古書という点が珍しいのでは。出版不況で生き残るために取り組んでいる」と土方正志さん。同スペースは1年間の期間限定だ。
第558号(2023/04/25発行)14面