22年度「訪問購入」相談件数が前年比12%増、国民生活センター
2023年11月08日
国民生活センターによると訪問購入(出張買取)についてPIO-NETに登録された相談件数は、2022年度が21年度比12.1増となる7760件だった。尚23年度の4月から5月末までにおいては、前年同期比24.7%増の986件だった。推移については、同センターが9月1日に更新したサイト内で発表したもの。件数は20年度以降、増加基調にある。
最近の相談事例には「高齢の母が在宅中に、古本を買い取ると電話があり依頼したら、玄関先に置いていた貴金属を安価で買い取られた」「貴金属の買取について電話があり、買取業者の訪問を受けて金のネックレス等を売却した。買取価格の相場より非常に安いことが分かったので、クーリング・オフしたい」などが挙がっていた。悪質な業者から買取りの勧誘を電話で受け、被害を受けている事例があるようだ。
今年に入り高齢者を標的とした特殊詐欺事件が増える中、本紙が独自に取材したところ、ある出張買取業者では「事件を知って怖くなり買取査定予約をキャンセルした方や、買取時の本人確認の際に身分証の提示を求めたところ、『悪用されて闇バイトに売られる原因になりそう』と不安がる方がいた」という。
特殊詐欺と悪質な出張買取を絡めた事件が広がっているかは定かではないものの、こうした事件は真っ当な業者に風評被害をもたらす可能性がある。業者は改めて法令遵守(コンプライアンス)が徹底されているか見直しを図りたいところだ。
*11月15日追記
本紙が11月14日に国民生活センターに問い合わせたところ、23年度の4月から10月末までにおける相談件数は前年同期比20%増の4610件だった。
尚、同件数は18年度が6603件、19年度が5220件、20年度が6018件、21年度が6925件(修正)、22年度が7730件(修正)という。
第572号(2023/11/25発行)5面