財務省貿易統計2023年1-12月 古着の輸入量が減少
2024年02月10日
古着ブームが続くなか、海外から輸入する古着に異変が起きている。財務省の貿易統計によると、2023年(1-12月)の古着の輸入量が減少に転じたことが分かった。円安や世界的なインフレ等の影響で取引価格が急速に上昇したことが嫌気されたようだ。ただ、取引単価が上がったことで、輸入金額は2000年以降で過去最高を更新した。
キロ単価20年比7割強上昇で嫌気
輸入金額は過去最高を更新
2023年1-12月の古着(中古の衣料その他の物品)の輸入量は、前年比8.8%減の9542トンとなった。古着の輸入量は、2015年以降右肩上がりで増え続けてきた。新型コロナウイルスが発症した2020年は前年を下回ったものの、翌年からは一段と輸入量が増加。2022年は、2000年以降で過去最高の1万トンを超える量が輸入されていた。
ただ、コロナ下で輸入単価も急激に上がっている。輸入金額と輸入量を元に算出した年平均の1キロ当たり単価は、2020年は725円だったが、昨年は1262円とわずか3年の間に74%も上昇、ここ数年は毎年2割程度の上昇を続けている。
取引価格上昇の理由は、為替が円安水準で続いていることに加え、世界的なインフレにより、調達コストが上昇していることもある。また、世界的な古着ブームにより、商品の取り合いも起きている面もありそうだ。
第577号(2024/02/10発行)1面