楽器メーカー大手のヤマハグループでリユース事業を担うのが、ヤマハピアノサービス（静岡県浜松市）だ。「ヤマハ認定」と打ち出し、1996年から中古ピアノの取り扱いを開始。年間約1500台の販売実績がある。ヤマハ100％出資企業ならではの、買取りや再生のノウハウを取材した。
年間1500台を販売
「ヤマハに返したい」
買取りニーズ
国内だけではなくヨーロッパにも卸をしている
ヤマハピアノサービスでは、ヤマハ製のアップライトピアノとグランドピアノを一般消費者から買取りし、修理を行う。自社で手掛ける中古品は、「ヤマハリニューアルピアノⓇ」として商標を登録している。
買取りの際は、事前に品番や地域、設置状況をヒアリングし、運搬費用を差し引いた査定額を提示する。後日、ピアノ専門の配送業者が運搬作業を担当。買い取ったピアノは、本社や国内の「横浜センター」と「大阪センター」、「掛川センター」のいずれかの工房に集約する。
「うちの査定額より高く出す事業者もいると思います。ですがピアノは高額ですし小さな頃から長年弾き続けたといった、愛着を抱いている方も多い。『思い入れのあるピアノを、ヤマハに返したい』という買取りのニーズは安定してあります。買取りの際に購入時のエピソードや『うちの子をお願いします』とメッセージを書いた手紙を同封してくださる方もいる程です」と営業推進部の飛田泰一企画課課長は話す。
第578号(2024/02/25発行)10面
