FTF(フェイスレコード)、武井 進一社長インタビュー

検索

「INTER VIEW」

FTF(フェイスレコード)、武井 進一社長インタビュー

2024年05月27日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Inter View

中古レコード店「フェイスレコード」を運営するFTF(東京都渋谷区)は、今年5月末に創業30周年を迎える。一時は廃業を考えるほど苦しい時期があったが、eBayを活用した海外販売で成功し飛躍的に成長した。近年は札幌や京都、名古屋の商業施設に出店を進めている。これまでのビジネスモデルの変遷や今後の展望について武井進一社長にインタビューした。

中古レコード一筋で創業30周年

今期売上は15億円の着地見込み
廃業寸前から越境ECで大逆転

FTF(フェイスレコード) 武井 進一社長FTF(フェイスレコード)
武井 進一社長

エクセル作成の
リストで通販

──御社の沿革を教えてください。

武井 1994年6月に横浜で創業しました。一番最初は、エクセルで作った中古レコードのリストをお客さまにDMで送付し注文をとる原始的な通販を営んでいました。仕入れは海外通販や海外の現地買い付けを行っていましたね。こうした通販を2年くらい続けるなかで、このやり方では先が知れているという危機感を持ち、東京・渋谷に実店舗「フェイスレコード」を構えました。店舗をやりながら通販も続けており、当時の売上比率は半々ほどでした。

──ネット販売はいつ頃からですか。

武井 着手したのは2008年からです。最初は自社ECのみでの展開で、「ヤフオク!」や「eBay」は初期には出品していませんでした。もともと通販でしたので、ECの業務もスムーズに移行ができましたね。当時はDJブームが終わり、中古レコード販売が全体的に苦しい時期でもありました。趣味用品の商いは大きな事件があると消費マインドに影響が出やすく、東日本大震災のあった2011年は1~2ヵ月全然売れないという時期もあり、一時は廃業を考えたほどです。店の家賃が30万円なのに、売上が40万円しかなく、これはもうダメだろうって。この苦しい時期はECでの売り上げでなんとかもっていました。大きな転機になったのが海外販売でした。

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

第584号(2024/05/25発行)9面

Page top
閉じる