VALUE BOOKS、「移動式の本屋さん」が出発!!

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VALUE BOOKS、「移動式の本屋さん」が出発!!

2017年09月08日

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書店がない街に本を届けたい

ネット古書店で年商22.4億円のバリューブックス(長野県上田市)が、新たに「ブックバスプロジェクト」を始動させている。バスに古本を詰め込んで、書店の無い街へ出向く「移動式の本屋さん」を走らせようとしているのだ。

野外イベントに参加したブックバス野外イベントに参加したブックバス。古本約1000点をのせ、親子連れなどを喜ばせた

買取りと寄付の「チャリボン」を主軸に、毎日3万冊の古書を集めるバリューブックス。「いかに多くの人が本を手に取る世の中にできるか」をミッションに、ネット販売だけでなく次々と新しい手法で古書を流通させている。

ブックカフェ「ネイボ」や、施設などに古書を寄付する「ブックギフト」など複数のプロジェクトに挑戦している。

新たなチャネルの一つとして立ちあがったのが、今回のブックバスプロジェクトだ。

「町の本屋さんは次々と閉店し、特に地方では本を手に取れる場所がなくなりつつあります。大きな車にたくさんの本を詰め込み、直接お客様に届けたいと思ったんです」(中村和義取締役)

書店の無い町や病院や保育施設など日本全国を回る計画だ。それに先がけ、先日長野県で開催された野外イベントに初出店し、好評を博した。

古本約1000点をのせ、親子連れなどを喜ばせた出向く先によって、本のバリエーションも工夫すると言う

中古バスを改修、外装は自分達で

始動にあたってまず悩んだのは、車両の形。バス、バン、トラック、トレイラー...。関東を中心にブックバスを走らせている、ブックトラックの三田修平氏をアドバイザーに迎えた。そして巡り会ったのが、岩手県で移動図書館として使われていた中古車両。ところどころ錆びていたが、走行距離も少なく、車内の両サイドには本棚が設置されていた。

バスの改修は、古材の再利用などを行う長野県の企業、リビルディングセンタージャパンに依頼した。

もともとあった片側の本棚を外しベンチを設置。車内でゆっくり座りながら本を楽しめるようにした。およそ1000冊と収納力もばっちりだ。「外から見たときに、子どもたちが窓越しに本を読んでいたり、手を振っていたりする姿が見られるようにとこだわりました」。

外装はバリューブックスのスタッフたちが、塗装して完成させたと言う。

子どもたちもゆっくり座りながら絵本に夢中になっている子どもたちもゆっくり座りながら絵本に夢中になっている

クラウドファンディングで約132万円の支援金

ブックバス改修費用100万円分は、クラウドファンディング「キャンプファイヤー」で募集した。「このプロジェクトだけで高い利益は見込めません。ですので初期投資を抑えたいという思いも勿論ありますが、当社の活動を知ってもらいたい、繋がりや出会いを生み出せるというのが何より魅力でした」。

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422号(2017/08/25発行)20面

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