《皮革製品修復ラボ(35)》ヘビやダチョウやトカゲの革製品

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《皮革製品修復ラボ(35)》ヘビやダチョウやトカゲの革製品

2016年02月10日

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皮革製品 修復ラボLesson.35 エキゾチックレザー2

「価値づけ」できれば売れるようになる!?

引き続きウロコ系などエキゾチックレザーについてもう少し話をしよう。前回も触れたが、リユース業界では売れるか売れないかが「ブランド名」や「流行っているシリーズ」などで決まってしまい皆で商品争奪戦を繰り広げているようだ。売れないものを仕入れたくないのは当然だが、皆が皆「シャネル」や「ヴィトン」じゃなくてもいいだろうと思う。それ以外の革製品も「価値付け」すれば売れるのではないだろうか。

そこで、価値付けするために押さえておくべき知識や提案例を紹介しようと思う。ワニは前回触れたので次はヘビから。

【ヘビ】

ヘビバッグから靴、革小物、ベルトなど皮革ファッションに欠かせない個性素材。ニシキヘビは体調4mにも達し流通量も多い。とりわけダイヤ状の模様を持つダイヤモンドパイソンが人気。素材強度は低いのでデリケートな扱いが必要だがそれだけに魅力的。天然のウロコと模様で大人を演出できる。靴もバッグもシンプルなものを選べば素材感の主張だけでワンランク上のオシャレが可能!新品は価格も高いのでユーズドは狙い目。お手入れは基本カラ拭き、防水スプレーでガードしながら使いたい。

【オーストリッチ】

飛べない鳥、ダチョウの革。クイルマークと呼ばれる羽根を抜いた跡の突起した丸い毛穴が特徴。南アフリカ中心の養殖種。素材は強靭なのに柔らかく高級品としても広く認知されている。クイルマークの密度が多いほうが良い(エルメスのケリーバッグは密度とその均一さが秀逸) とされる。粗悪品や安物は前、後ろ、マチ部分の素材均一性がなくクイルマークもバラバラ、ファスナーや金具も安っぽい。ピンクやグリーンなど色物も素敵。ファッション的にも高級アクセントと大人っぽさ演出に効果的。コーディネートを考えず持ったもん勝ちのアイテム。

川口 明人氏≪筆者 Profile≫ 川口 明人氏

1960年、神奈川県生まれ。根っからの靴、バッグ好き。大学卒業後ヨーロッパに渡りフランスのシューズブランドに就職。帰国後は婦人靴ブランドのマネージャー、ブランドバッグ販売責任者、婦人靴メーカー商品企画・製造責任者などを歴任。皮革製品修復の「美靴工房」立ち上げに参画。現在は同社の専務取締役として女性修復師チームを率い数多くのメゾンブランドから指名を受ける。メディアにも度々取上げられており、質店・ブランドリサイクル店にとっては駆け込み寺的存在。

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385号(2016/02/10発行) 7面

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