〈買取競争 次の一手は〉マンション催事で無関心層開拓 処分需要に応え月間300万円買取

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〈買取競争 次の一手は〉マンション催事で無関心層開拓 処分需要に応え月間300万円買取

2019年04月24日

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①.jpg▲銀座屋は都内の600世帯が入居可能なマンションで展開する(画像はイメージ)

「仮設店舗は新たな買取チャネルとなるのか?」ネットや個人間取引の普及で、買取り競争が激化している。差別化が求められる中、昨年施行された改正古物営業法により、仮設店舗における買取が解禁された。これを受け、一部の企業はマンション住民向けの催事買取に力を入れ始めている。

「ブースに行列ができて驚きましたよ。同じ建物の人に見られるのを嫌がられるのではと思っていましたからね」と話すのは、買取事業を行う銀座屋(東京都港区)の森浩一社長だ。昨年から東京都内で、マンション管理組合と企画会社が共同で行う入居者を対象にした季節イベントに出店を始めた。エントランスにブースを構え、買取りと不用品寄付のサービスを提供する。1日あたり30~40人が買取依頼に訪れ、最大で60万円分の買取に成功した。

気軽に査定体験不用品寄付きっかけに

同社が狙うのは、「『買取サービスを利用しよう』という発想自体がない無関心層」(森社長)だ。お金に困っているわけでもないので、買取サービスのチラシや広告などでアピールしても右から左に受け流されてきた。この手強いターゲットに対して買取を提案する足がかりとするのが、ブースで受け付ける寄付サービスだ。利用者の不用品を寄付として募る。そこでコミュニケーションのきっかけを掴み、査定体験へ誘導する。

ブランド、ジュエリーのほか、小型家電やホビー、キックボードなどオールジャンルの買取査定をするのも特徴。「そこで『思いのほか値段になるな』と思ってもらえれば『査定の連鎖』が生まれ、『じゃ売るわ』となります」(森社長)。マンション内なので、利用者は査定してほしい商品を次々に持ってくることができる。利用者が寄付に持参するのは「要らないけど、捨てるには忍びないし売ってもお金にならない」と行き場に困ったぬいぐるみや文房具、おもちゃなど。

これらは国内では値がつかないが、保存状態が良ければ海外で需要がある。自社でフィリピンやタイへの輸出パイプをもつことが、オールジャンルの寄付・買取に対応できる点で強みとして活きた。一方、入居者向けのイベントは年数回程度しか開催されないのが目下の課題だ。「現状はイベントに合わせて実施しているが、ゆくゆくは単体での出店も考えていく。2年以内に年20回開催することを目指す」(森社長)

単独イベントを月15回開催

単体の出店で成果を上げ始めている事例も既に存在している。買取事業を行うエコリング(兵庫県姫路市)は大手マンション管理会社とアライアンスを組み、独自に買取りイベントを開催。関東・関西圏のファミリー向け分譲マンションのエントランスや多目的ホール内にて月間10~15回の頻度で継続的に行い、月間250万~300万円分を買い取っている。

出張買取と比較し、移動コストなどの先行投資が少なく効率よく買取りすることができる点が魅力だという。管理会社側も入居者募集における差別化の取り組みを強化しており、かつマンションは収納スペースが限られ住民の物品処分ニーズが高いことから提携の話がまとまった。宇都宮博道常務は「マンション買取イベントも『1つの店舗』という位置付けにできるよう、強化していく」と力を込める。買取実績を積み上げることで管理会社へのアピールを強める。開催数を増やし、将来的には月間500万円の買取を目指す。


⑤(宇都宮博道).png▲エコリング 宇都宮博道常務

③(エコリング).jpg▲エコリングの出店ブース

第461号(2019/04/10発行)24面

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