帝国データバンクが発表、中古店の倒産が急増 2018年度は前年の2倍に
2019年06月09日
・帝国データバンクが、リサイクルショップの倒産が急増していると発表。
・倒産件数増加の背景には、フリマアプリの拡大による事業環境の変化。
・大手リユース企業の圧迫も、小規模事業者を淘汰を進めている。
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リサイクルショップの倒産が急増している。帝国データバンクが5月20日に発表した中古品販売事業者の倒産動向調査によると、2018年度は2000年の調査以来過去最高の30件にのぼり、前年の2倍に増加した。
倒産件数増加の背景について、フリマアプリの拡大による事業環境の変化を挙げる。アプリを通じて手軽にCtoCで取引できるようになったことにより、リサイクル店は顧客だけでなく、商材まで奪われることにつながっている。帝国データバンクソリューション企画部情報統括課飯島大輔氏によると、「他の業種と比べてリサイクルショップの倒産件数が特筆して多いわけではないが、増加トレンドにあるのは間違いない」と指摘する。倒産企業の主な取扱い商材については、「洋服や本のようにかさばるが重たくないもの」を挙げるなど、フリマアプリが得意とする商材で影響が大きいようだ。
本紙推計によるリユース市場規模では、市場全体としては拡大傾向にあるが、そのけん引役はフリマアプリ等のCtoCだ。事業者の店舗販売セグメントは減少傾向で推移しており、ネットに市場がシフトしている。一方、リユース企業の大手は店舗での買取販売を主体としており、出店を控える様子はさほど見られない。そのため、フリマアプリと大手リユース企業に圧迫される形で小規模事業者の淘汰が進んでいる面もあると思われる。
尚、帝国データバンクが今年1月に発表した2018年(1〜12月)の中古品販売事業者の倒産件数は38件と2年連続で過去最多を記録するなど年度集計よりも8件多い。負債額別では「5000万円未満」が29件で最多となり、小規模企業の倒産が件数を押し上げている。最大の負債額は、子供服のリサイクルショップを経営するAKIRA(東京都江東区)の約13億1300万円だった。
第465号(2019/06/10発行)1面