キャッシュレスで買取 楽天・ビックがポイントで
2019年07月25日
キャッシュレスで買取
楽天・ビックがポイントで
キャッシュレス決済が話題となる中、買取の支払いをポイントや電子マネーで行う「キャッシュレス買取」のサービスが始まった。楽天(東京都世田谷区)とビックカメラ(東京都豊島区)は7月17日からサービスを開始。これまで現金1択だった買取に新たな選択肢を提示する。普及するか注目を集めそうだ。
楽天は「楽天買取」の利用時に、現金の代わりに「楽天スーパーポイント」で受け取れるサービスを開始。現金受取の場合、買取額の1%がポイント付与されるが、ポイント受取の場合、4%上乗せされた5%受け取ることができる。
ポイント受取は、買取額が3万円未満が対象。ユーザーは割増のポイントを受け取れるだけでなく、銀行口座情報の入力が不要になる。「2〜3割程度ポイント受取の利用があるのでは」(重田紘範マネージャー)。
▲買取代金が楽天ポイントで受け取れる
楽天買取は、リユース企業170社が参加。個別の企業に査定依頼を行うことができる宅配買取型のサービスだ。
キャッシュレスになることで、利用店にもメリットがある。買取代金の振込業務が不要になると共に、ユーザー情報の誤入力等への対応も省ける。また、楽天市場での販売売上入金時に、買取費用が相殺されるため、資金繰りの負担軽減につながる効果もある。
ビックカメラは、「ビック買取マネー」を開始。買取窓口を設けるグループの全国176ヵ所で買取代金を現金の代わりに電子マネーとして受け取ることができる。その際、査定額の5%増しの額で受け取れる。年内はこれを10%にするキャンペーンを行っており利用を促す。
また、グループのソフマップが運営する買取アプリ「ラクウル」でも10月から対応を予定しており、店頭以外の売却にも対応。買取対象は当面デジタル機器のみだが、ラクウルが対応すれば、ブランド品や洋服なども対象となる。
「ビック買取マネー」は、グループのビックカメラ、コジマ、ソフマップでの購入時に利用できる。その際、現金払いと同率のポイントが受け取れるなど利用のメリットが広がる。一方でグループ各店舗の販促につながるため、買取の促進効果を見込む。
「ビック買取マネーを通して、買取の認知度が上がれば」(ソフマップ・渡辺武志社長)とマーケティング面での効果に期待を寄せる。ソフマップでは従来から電子マネーで受け取れるサービスを展開してきたが、利用が同社内と限られていた。そのため買取の8%の利用に留まっていたが、利用範囲が広がったことで15%まで伸びを見込む。
第468号(2019/07/25発行)1面