合成ダイヤ買取を防ぐ鑑別機「GIA iD100」 2秒で識別 台座付にも対応
2019年07月30日
合成ダイヤモンドの買取リスクが高まる中、水際で食い止めるツールとして注目を集めているのがGIA(米国宝石学会)が提供する「GIA iD100」だ。
▲GIA iD100
これはダイヤモンドを天然か、合成や類似石の可能性がある石かを識別できるというもの。2017年に発売して以降、質店や買取店からの引き合いが増えていると言う。販売価格は60万円程度と手頃な価格とは言えないが、ある質店は「合成を誤って買い取るリスクを考えたら導入は必須」と話す。
「GIA iD100」は、発光分析という紫外(UV)光を当てることで天然ダイヤの特性を識別する。ファイバープローブを通したUV光を対象に当てて使用するため、ルース(裸石)だけでなく宝飾品として台座が付けられた石も検査できる。また、1点につき約2秒で自動鑑別するため、迅速な対応が求められる店頭での買取の実務に向いていると言える。
米国の協会団体が同製品を用いてテストした結果、天然でないものを誤って天然と識別した割合は0%。天然ダイヤを正しく天然と識別した割合は96.7%との結果が出ており、精度は非常に高いと言えそうだ。対象は直径0.9mm以上(約0.005カラット)で無色からほぼ無色のダイヤ。それ以外は検査には適さないという。
購入はGIAのWEBサイトに申込む必要があるため、日本法人がサポートを行っている。
第468号(2019/07/25発行)5面