ワットマン、買取接客のポイントをカウマン担当の課長に聞く
2019年11月05日
バイヤー道 ~私の買取接客術~
総合リユース店事業を手掛けるワットマン(神奈川県横浜市)が昨年、神奈川・戸塚に打ち出したのがロードバイク専門の買取・販売店だ。「カウマン」の屋号で運営している。来客の多くが中級者から上級者で、本業の傍らレースに出場経験のあるような玄人ユーザーもやって来る。買取接客のポイントを、カウマン担当の得居則之課長に聞いた。
ワットマン ネット事業グループ カウマン担当 得居則之課長
サクラス戸塚店にあるロードバイクカウマン
自慢話を聞き出す
嗜好性の高いものにこそ、"自慢したい"話が付き物だ。ロードバイクなら、レースへの出場経験や旅話をうかがえるチャンス。買取りの際、まずは聞き手に徹し、雰囲気を作る。そこで使用年数や頻度を知れれば、査定の材料にもなる。
褒めポイントは強調して
所有物を褒められることは嬉しいはず。優れている点は大袈裟にでも伝えてあげると喜ばれる。例えば、「これ、凄く軽いですね!」など。一方、消耗具合などが原因で査定額を下げざるを得ない場合、ただ欠点部分を伝えるのではなく、その人自身をまず褒める。例えば、チェーンの摩擦による削れを指摘する際、「足の力、凄く強いんですね!それでチェーンが...」とさり気なく一呼吸おく。すると、それほど相手も残念がらない。
買取情報や修理工程をネットにアップ
ホームページや、フェイスブック、インスタグラムといったSNSに、買い取った商品情報をアップする。また修理が必要な商品には、その工程もレポートする。すると、買取りに出したお客にとっては信用のおける店に売りに出せたという気持ちになり、リピート利用にも繋がる。
知らないことは素直に尋ねる
お客の中には、この道30年という玄人も。時には初見のブランドの持ち込みもあるが、素直に「教えてください」と尋ねる。最近買取成約したというのが、C4(チ・クアトロ)というイタリアメーカー品。カーボンモノコックフレームを世界で初めて製造した(カーボンシートを木の枠にあて1枚ずつ貼って作る)メーカーだ。年上を相手に接客すると知見を広げられるチャンス。
実際に買い取ったC4のロードバイク
「最後にお写真撮りましょうか?」
買取りに出す理由はそれぞれだが、人によっては年齢や仕事などを理由に「もう乗れなくて...」という場合も多い。買取りが成約して最後に、「お写真撮りましょうか?」と"別れの儀式"を提案してみる。すっきりした気持ちで手放してもらうことで、店やバイヤーの印象を良く持ってもらう。
買取品の行く末をメールで報告
買取利用のお客には、一定の時間を空けてメールを送る。その際、買取額アップのキャンペーン情報などに加え、以前買取りに出した商品がその後、いつ売られていったかを報告している。お客の多くは、思い入れがあるものでも買取りに出すので、その後どうなったかを気にしているもの。お客との関係値を維持するためにも、こういったアフター対応が店の印象を上げる。
カウマンではロードバイクのほかに、オーディオの買取りも行っている。視聴スペースが店内にある
第474号(2019/10/25発行)13面