ゴルフパートナー、初心者向けに3万円以下の中古クラブ揃える店舗発足
2019年12月20日
新事業
2018年3月期まで7年連続増収増益を遂げるなど、中古ゴルフ市場を牽引するゼビオグループ傘下のゴルフパートナー(東京都千代田区)。同社は9月、「ゴルフクラブ3万円以下専門店」を新たに出した。ゴルフ場でのプレー代が低落する中、「時代に合わせて店も変わるべき」と安価に揃えられる店を発足。若年の初心者などを集めている。
「ゴルフ場でのプレー料金がどんどん安くなっていく今、ショップも変わっていくべきだと思いました」(ゴルフパートナーアウトレット伊勢崎店 黒岩隼士店長)
ゴルフパートナーアウトレット伊勢崎店
9月28日にオープンしたゴルフパートナーアウトレット伊勢崎店。一見するとごく普通の中古ゴルフ用品店だが、ここが他所と明らかに異なるのは、中古クラブはどれも1本3万円以下ということだ。店舗外装にもでかでかと表現した「ゴルフクラブ3万円以下専門店」の文字。業界内で叫ばれるゴルフ離れに一石を投じようと、まずは多くのゴルフ場数を誇る群馬の地の利を活かし、リーズナブルに用品を揃えられる店に挑んでみたという。
黒岩隼士店長ゴルフ場で1ラウンド回るのに1人3万円掛かっていた頃と比べ、今は食事も付けなければ1人5000円と安く済ませられるようになりました。それに合わせて店舗もリーズナブルな価格帯に合わせてみました。
セットでも3万円以内ビギナー層に好評
特に予想以上の盛り上がりを見せているのが、ゴルフセットでさえも3万円以内で揃えられるというセット販売。店内で筒刺しに置かれたドライバーやアイアンなどから、自由にクラブを選び、総額5万円以下であればセット価格2万9980円として購入できる。ゴルフパートナーでのセット商品の売れ筋相場は7万円弱ということから、手頃感がわかる。店内には、「これさえあればコースに出られる」というものをサンプルやポップを通してお客に明示。「押しの強い接客をせずとも、お客様がオートで商品を選んでくれるイメージ」(同店長)というのだ。
セット販売は20〜30代といった若年のビギナー層にも好評のほか、ミドルやシニア世代でプレーを再開したいというカムバック層までと、幅広い世代にわたり利用されている。現在は総額10万円までならセット価格6万9980円で購入できるメニューを増やすなど、セット価格は5段階ある。セット販売では月間25セットほど売れている。
今後国内に30〜50店展開
同店のもう1つの特徴は「名器」の扱いだ。プロゴルファーらが愛用するなど、かつて脚光を浴びた古いモデルのクラブを多く揃えている。テーラーメイドの200スチールやキャロウェイのスチールヘッドなど、2000年代に生産されたものがあり、それらは1本1000円から販売している。
同店では買取りは行わないが、ゴルフパートナーの既存店やグループ内で新品を扱う店舗では買取りを行っており、それぞれで集めた3万円以下の中古やアウトレットのクラブを同店に流している。同社は今後、3万円以下専門店の展開を、国内30〜50店まで広げたいとしている。
店内の売り場
ゴルフパートナー概要
売上高:324億円(2019年3月期)
店舗数:全国367店舗(2019年7月末日現在)
第477号(2019/12/10発行)10面