中古売上、増収企業数は前年上回るも売上高は前年比下回る

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中古売上、増収企業数は前年上回るも売上高は前年比下回る

2020年01月10日

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リユース企業の成長力

中古売上ランキング2020(主に2018年度実績)の調査及び回答企業250社のうち、中古売上が増収となった企業数は、前年の53%を上回る56%となった。一方で中古売上高対前年比の平均は、107%と前年の109%から微減。本紙独自の推計によると、リユース市場は少なくとも2025年まで拡大を続ける見通しで、フリマアプリ人気に押されながら緩やかに成長するようだ。

中古売上対前年比の分布

PC買替需要が業績牽引

同ランキングで前年比が101%を超えた企業数は、244社中(6社は非公表)137社。うち前年比「111%以上」を記録したのは71社となり、前年度の55社(前回対象企業総数は203社)を上回った。「106~110%」は、前年度より3社少ない25社。「101~105%」は、前年度の28社よりも13社多い41社となった。

伸び率上位71社を取扱い商材別にみると、最も多かったのは18社が該当した「PC/携帯」だった。これは、Windows7のサポートが2020年1月に終了するため、法人を中心にPCの買換需要が発生したことが要因とみられる。また、成長率が高い企業の特徴として挙げられるのが、ネット売上比率の高さだ。例えば、同比率80%のMAKE VALUE(135位)は、中古売上高対前年比が192%と躍進。また、ネット売上比率が100%のファイブニーズ(68位)、plube(140位)、ウェイブ(185位)は、いずれも中古売上高対年前比が150%越えを記録した。本紙調査では、2017年から中古ネット販売がリアル販売を上回っており、今後もネット優勢は継続する見通しだ。

前年比が前年並みの「100%」となった企業は、前年と同水準の33社。前年比が100%を下回った企業は全体の3割に当たる74社となり、前年度の62社を上回った。

減収した企業の内訳をみると、「95~99%」は33社、「90~94%」は19社、「89%以下」は22社。取扱商材は多岐に渡るが、強いて言えばメディアやホビーを扱う企業が多く見受けられた。

市場は拡大、片や倒産も

中古売上高トップ10社の合計は、前年比6.7%増の4160.8億円。トップ200社の中古売上高合計金額は10155.5億円となり、前回調査の8885.1億円から14.3%伸長した(前回と今回の比較対象企業は異なる)。

以上の結果を基に考えると、リユース企業の売上高全体は、引き続き成長していると言える。一方で、同統計は企業間取引や海外輸出等も含まれるため、国内のBtoCリユース市場規模が伸びている、とは同義ではない。

2025年には、市場規模が3.3兆円まで拡大する見込みのリユース業界。一方で、フリマアプリを代表としたネットの台頭に押され、サンセットコーポレイション(102位)は民事再生に追い込まれた。勝ち残るには、市場の変化に合わせた戦術が必要だ。

第479号(2020/1/10発行)10面

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