リユース企業、新型コロナ対策 EC販売を強化
2020年03月29日
本紙では新型コロナウイルスの感染拡大による、リユース市場への影響を調査した。取扱い商材によって、売上への影響度合いは異なるようだ。訪日観光客や外出自粛等による来店者数の減少を補うため、リユース企業はネット販売を強化する動きが見られる。
リユース事業者に行ったアンケート調査をもとに、新型コロナに関する売上への影響を、主な取り扱い商材別にまとめたのが下の図だ。
「2月より3月影響大きそう」
影響度が最も高く出ているのが、「金券・チケット」。コンサートやスポーツ等の興行系が軒並み中止となり、外出自粛の影響で旅行や出張が減少。航空系や交通系の株主優待券や回数券の需要が落ち込んでいる。
また、「子供服や用品」でも来客数の減少が大きく響いている。「2月より3月の方が影響はもっと大きそう」と声が挙がっている。「衣料・服飾雑貨」も国内及び海外客の減少が影響、ただネット販売主体の企業では影響が出ていない模様で、店舗型企業との違いが大きく表れている。
2月時点では影響がほぼ出ていない商材は、オフィス家具や厨房機器など法人向け商材。ただ、「今後影響がありそう」と多くの企業が回答しており、企業活動の停滞を懸念している。
出張買取強化で待ちから攻めへ
売上減少の影響が2月よりも3月の方が大きくなりそうとの声が多い中、リユース事業者はどのような売上減少への対策を行っていくのか。最も多かった回答が、ネット販売の強化だ。外出自粛で来店客数が減少する中、ネットで挽回しようとしている。「オンラインへの商品登録数を上げる」など出品強化の動きが強まりそうだ。
また、来店者数の減少は買取においても影響が出ている。そのため、出張買取に力を入れるとの声も多く挙がった。待ってダメなら出張で家に伺う攻めの買取に転換を図る。
新型コロナによる売上への影響が大きかった企業では、戦略の見直しを迫られるところもあるようだ。買取や販売チャネルにおいて、店舗や海外客への依存度が高い企業はリスク分散を図るため、別のチャネル強化に動く。これまでリユース市場は、リーマンショックや東日本大震災等の危機をバネに拡大を続けてきた。新型コロナショックを契機にリユース市場は大きく変化していきそうだ。
今後の主な売上対策
●調査概要
インターネットによるアンケート調査を実施。期間は2020年3月10日~3月16日。回答数は186件。有効回答数は172件。
全回答者の属性割合は、リユース事業者が78.0%、質店8.1%、古物市場3.2%、マーケットプレイス1.6%、リペア・リフォーム事業者1.6%、その他7.5%。
第484号(2020/3/25発行)20面