AKINAI、中古品売買が身近な今"接客"や"提案力"で差別化を
2020年11月17日
「ダイソー」で培った会話接客で口コミ増
Googleマイビジネス、積極活用
フリマアプリの成長で中古品売買が身近な今、リユース店は接客や提案力で差別化を図りたい。その上でネット・リアルとも口コミが強力な武器になる。リサイクルショップスリーエス伊勢佐木店(運営:AKINAI・神奈川県横浜市)では、ダイソー出身の店長が前職で培った"指名される接客"を活かしている。それが口コミとなり、グーグルマップからのルート検索やコール受注にうまく繋げている。
スリーエス伊勢佐木店
スリーエス伊勢佐木店
スリーエスに勤めて約4年という伊勢佐木店店長の中村勇希さん。前職では6年、100円ショップ「ダイソー」での販売員のキャリアを持ち、そこでの経験をリユース店運営に活かしている。
「ダイソーでは異例の、指名を受けるスタッフでした」(中村さん)。例えば「〇〇はどこにあるか」という質問1つにも、必ず2つ返す。売り場を案内した後、「どんなものが必要か、それで何をしたいのか」とさりげなく尋ね、納得してもらえる買い物につなげる。ある日「アクセサリーを入れるちょうどいい容器を探している」というお客に商品提案をするも、「あれでもない、これでもない」とこだわりが強く納得してもらえない。最終的に「この中身全部とって、この容器にいれたらいいじゃないですか」と、喜んで買ってもらったのが、携帯用の歯間ブラシセットだった。
スリーエスに転職後、「それまで100円商品しか触れてこなかった自分が、2万円の中古冷蔵庫を売ることにも戸惑った」と中村さん。しかし前職同様にニーズをくみ取る接客がうまくハマり、「丁寧に応対することで、ネットの口コミもそうだが、リアルの口コミにもつながっている感触がある」。地域上、日雇いで簡易宿所に寝泊まりしているお客が多く、安価な家具や家電がよく売れる。コロナ自粛期には1万~2万円の中古テレビに需要が集まった。
第499号(2020/11/10発行)10面