関東の滞留品・返品物の受け皿に
震災から10年、仮設住宅退去がピーク
仲間内で協力し家財・住設を引き上げ
リユース店を運営する再販(岩手県盛岡市)では、関東の同業者からの滞留品の引き上げが好調だ。こうした協力関係を活かし、今後ピークを迎える震災の仮設住宅関連でのモノの引き上げも皆で協力していきたいという。西國礼人社長に話を聞いた。
再販 西國礼人社長
── 岩手と言えば国内でコロナ感染が最も遅くに確認された地域でした。御社には影響はどう出ていますか。
西國 春先は幸い身内や知り合いに感染者が出ていませんでしたので、時短営業や休業など特段何かをやってきたわけではなかったです。5~6月の売上は1~2割弱落ちましたが、7月以降は前年同月を上回っていきました。岩手はしばらく感染者ゼロで異様な緊張感はありましたけれど、段々と人出が増えて当社売上も昨対を超える月が続き、最大で2割増えた月もありました。夏場にはエアコンや冷蔵庫などの白物家電や、テントやプールなどの季節商品がよく売れました。やはり地元で40年もやっていると完全に根付いているものですから、必需品を買う場所としてすごく支持されているんだなと感じました。
今、県内でも毎日10人以上の感染者が出ています。当社で主催している道具市場については、事前に商品をネットから閲覧して、当日値を指せるリモート形式を取り入れようと検討しているところです。詳しいことが決まりましたら会員の皆様にはお伝えします。
── コロナで変わったことは。
西國 改めて大切だと感じたのは、リユース業界での仲間内との「協力」。40年も岩手でやってきた当社ですので、地元を盛り上げよう!とか、地場で何とか商品を回していこう!という気持ちは元々ありますが、特に最近は県外にも視野を広げています。盛岡で道具市をやっているので同業者仲間は元々いるのですが、個人的には関東の業者との付き合いがあり、今ではほぼ毎週トラックを出して関東に出ています。何をしているかというと、やはり今通販サービスが盛り上がっている中である程度の商品の返品物が出回っているようで、それの引き取りなどを。家電やら何やら、輸送時の事故で外装だけじゃなく中身までダメージが及んでいるものが結構あるんです。
第501号(2020/12/10発行)7面