GIGAスクール構想のPC750万台、処分方法は「未定」...リユース事業者は自治体と提携模索
2021年06月30日
文科省の「GIGAスクール構想」により、全国の小中学校に1人1台のコンピュータが配布された。だが耐用年数が経過した後の回収方法まで手が回っていない実情もある。そこにリユース企業は参入余地がありそうだ。
GIGA構想のPC750万台も
将来のリユース方法「未定」
コロナにより、GIGAスクール構想は20年度末までの整備へと前倒しになった
回収需要、5年以内には顕在化
自治体「買取もしてくれれば、ありがたい」
中古PC納入事例は稀少新品クロームブック人気
富山県立山町は中古ウィンドウズをGIGAスクール用に導入した。新品のクロームブック導入を目指していたが、コロナによるリモートワーク需要、世界的半導体不足に重なる形での「GIGAスクール構想」前倒しによって、手配が追いつかなかった。そのため、繋がりのあった中古PCのリングロー(東京都豊島区)から1910台のウィンドウズPCを購入した。
今後立山町は夏までに1500台の新品クロームブック導入を目指す。教育企画係の松島祐子係長は、「中古品はバッテリー等に不安が残る」と話す。リングローはPC修理拠点「集学校」を立山町に展開していた繋がりがあり自治体向けの納入実績に繋げたが、中古品の自治体向け販売は難しそうだ。
安価かつOS更新の負荷が少ないクロームブックは、GIGAスクール構想で人気が高い。一方、中古PCの事例は少なく、GIGAスクール全体で749万2074台(MM総研)のPCが納入されたのに比べ、リユース品の導入事例はリングローや携帯市場などに限られる。
第514号(2021/6/25発行)14面