海外小売店を展開する日系リユース店が増えている。東南アジア・台湾・ニューヨークと国もさまざま。取材を進めるとその国ならではの商習慣が見えてきた。
- 調査項目
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(1) 進出国(2) 店舗数(3) 商材構成(4) 従業員数(5) 時給(6) 店舗売上(7) 客単価(8) 仕入れ方法(9) 粗利率(10) 売れ筋商品(11) 来店客数
セカンドストリート台湾
- (1) 台湾
- (2) 8店舗
- (3) 衣類
- (4) 127人(うち27人が正社員)
- (5) 170元(680円ほど)
- (6) 非公表
- (7) 1050元(4200円ほど)※最新出店店舗の場合
- (8) コンテナ輸出・店頭買取・宅配買取
- (9) 非公表
- (10) ナイキ・アディダス・コーチなど
- (11) 非公表
若者の環境意識が高いという
衣類専門業態で出店 スポーツ系が人気
ゲオグループのセカンドストリート台湾(台北市)は衣類専門業態で国内に計8店舗を出店している。11月の数字では特にスポーツブランドの売れ行きが好調で、買取ではラグジュアリーブランドの持込みが多い。また、若者の環境意識の高さは販促の弾みとなりそうだと話す。
「台湾は環境意識が高い印象を受ける。レジ袋の有料化も早かったし、街には服のリサイクル回収BOXがよく置かれている」と出口定治社長は説明する。
取材時で計8店舗を出店し、うち4店が路面店、もう4店が商業施設内だ。すでに店頭買取も実施しており、気軽に持ち込める路面店のほうが買取量が多い傾向。合わせてwebで受け付ける宅配買取も開始した。
セカスト台湾の強みは小規模組織ならではの機敏さだ。日本国内と比べて実験的な試みを導入しやすい。たとえば、店の入口に設置した来店カウンター。それで来客数を把握し、その内の購入率と照らし合わせたりしている。
一方で課題はスタッフの教育面だ。店長や社員、バイヤーなどに対する教育の仕組みはこれから整えていく段階。出口社長によると、そもそも台湾には買取りを行う文化がまだ根付いておらず、買取提示額に納得できないというお客も中にはいるそうだ。そのため今後はバイヤーの丁寧な接客に焦点を置いている。
台湾は年齢によって古着に対する見方が異なるという。高齢者層はいわゆる遺品という印象を持つ一方、若者は環境意識への配慮という視点で古着を捉えており、ものを継承する前向きなイメージを抱いている。
出口定治社長
第526号(2021/12/25発行)10,11面