コロナ禍で売上減少、クリーニング店 の古着事業参入相次ぐ
2022年03月20日
古着の買取・販売を始めるクリーニング店が広がっている。外出控えで低迷にあえぐ中、同じく衣類を扱う親和性の高さから新規事業として期待を寄せる声も聞かれる。日本政策金融公庫の調査内容によると、コロナ禍で「売上の減少」に陥ったクリーニング業者の多くが2019年比で売上高が1~3割減に。リユース業界から参入を支援する動きも見られ、注目が増していきそうだ。
厚南クリーニングでは中古学生服事業を開始
中古学生服店に
店舗を改装計画
最後の砦だった「スーツ」の持ち込みまでもが減った―。
1975年創業で、神奈川で4店舗を経営する厚南クリーニング(神奈川県厚木市)。同社の月商は今、コロナ前と比べ平均1割程落ちているという。
「絶頂期だったバブル期と比べ、現在の家庭あたりのクリーニングにかける年間支出は、当時の半分程度」と井上泰一社長は話す。この間に繊維素材や洗濯技術が進化し、家庭洗いで済ませられる衣類が増えた。「ビジネススーツだけはクリーニングに出すという需要が一定数あったが、これもとうとう...」。コロナが追い打ちをかけている。
第532号(2022/3/25発行)11面