輸入盤のレコードを買ったあと、日本盤の帯付きレコードに書いてある「邦題と原題の意味が違うんじゃないか」とよく思っていました。これが日本独自のタイトル付け、いわゆる「邦題」です。リリース当時、英語のタイトル直訳だと日本のマーケットにはそぐわないと判断したためでしょうか、独自のセンスで邦題が付けられているものが多くありました。映画でも多いですが、レコードも、CDの時代になってからも、雰囲気に合ったものから、今では笑ってしまうような邦題もかなり多くあります。
意訳の妙味、中には目を疑うタイトルも
例えば、ピンク・フロイドの名作「Dark Side Of The Moon」は、日本語訳だと「月の暗い面」となりますが、邦題は「狂気」です。その他にもイギー・ポップ&ザ・ストゥージズのアルバム「Raw Power」は全く意味がわからない「淫力魔人」、そして、フランク・ザッパの原題「THE MAN FROM UTOPIA」では、ジャケットの中でハエ叩きを持っているからでしょうか?「ハエ・ハエ・カ・カ・カ・ザッパ・パ!」と目を疑うような邦題が付いております。ここまで来るとフザケているとしか思えませんね(笑)
第536号(2022/5/25発行)15面