サイクルシックつくば、筑波大学発の自転車店
2022年09月11日
このほど開店した筑波大学発の自転車店、サイクルシックつくば(茨城県つくば市)が話題だ。同大学の放置自転車を解決すべく、これらを回収し、修理した上で再販する事業を展開。同大の元職員と同大事業開発推進室のマネージャーが中心となって推し進めている。3~4年後には現状の放置自転車の数を約半分まで縮小させたい考えだ。
放置自転車をサブスクで
店舗は学外にあり、カフェのような雰囲気
矢部玲奈店長によると、筑波大学は東京ドーム55個分の広大な敷地がある。そのため学生はキャンパス内の移動に自転車を使用し、結果として年間約1000台もの放置自転車が発生。これまで市のシルバー人材センターで回収して再販するなどしていたが、依然として放置自転車の数は問題となっていた。そこで当時大学の職員として働いていた矢部店長は一念発起し、それを解決するいわばソーシャルベンチャーとして開業を決意する。もともと家業が自転車店だったことも手伝って、同大事業開発推進室の助けのもと、今年3月に大学を退職後、6月の自転車店の開業までこぎ着けた。「放置自転車は、他の大学や自治体でも共通の課題。これが成功すれば、つくばモデルとして全国に広まる可能性もある」(同氏)
修理後の放置自転車は、ママチャリで500円・クロスバイクは2000円程度の価格で月額定額制販売(サブスク)する予定。仕入れは、大学側からの放置自転車の無償譲渡でまかなうため、実質0円だ。留学生が入学する秋学期、新入生が入学する春学期をそれぞれ需要のピークと想定している。
第543号(2022/9/10発行)11面