リユースに関するマーケットプレイスのM&Aが近年、海外を中心に相次いで起きている。各国のサービスが急速に成長していく中、競争のステージは既にグローバルへと移行している。同業を飲み込み、規模を拡大。国際的な競争はより一層加熱していきそうだ。
- 近年の主なリユース系プラットフォームのM&A
海外のリユースマーケットプレイスは、各国の二次流通拡大に伴い成長してきた。米国の古着を扱うマーケットプレイス「スレッドアップ」の調査では、リユースは世界的な現象になりつつあり、米国リユース市場は26年までに、22年の2倍弱にあたる820億ドル(11.2兆円、1ドル136.72円にて計算)に達すると予想する。
競合買収し顧客獲得 韓国ネイバーも参戦
主なM&A事例を見ていこう。近年起きたリユース系マーケットプレイスの主なM&Aを表にまとめた。22年3月には、仏ヴェスティエールコレクティブが米国トレイジーを買収した。双方ともにブランド品・古着に強いリユースプラットフォームを運営しており、ヴェスティエールが北米の顧客を取り込んだ形だ。今後は両社の真贋や物流のノウハウを統合、事業拡大に踏み切るものと見られている。
また、22年10月4日、韓国ネイバーが米国ポッシュマークの買収を発表し話題となった。ポッシュマークはファッション系のプラットフォームで、21年には米証券取引所ナスダックに上場した。ネイバーは、これを1株当たり17.90ドルで発行済株式の全てを取得。同社のプラットフォームを足がかりに米国市場への影響力を高めていくものと見られる。ネイバーは日本国内において「LINE」運営の親会社として知られ、日本向けに古着プラットフォームの「ヴィンテージシティ」を展開する。また仏ヴェスティエールに出資するなど、欧州にも一定の影響力を持つ。
第551号(2023/01/10発行)9面