トレカ専門店を狙った窃盗事件が相次いで起きている。従来、リユース企業でこうした被害の対象となるのは高額品を扱うブランド・宝飾店が中心だった。トレカ店が狙われる背景には近年の相場高騰がある。被害額は高額に及ぶため、より強固な防犯対策を迫られそうだ。
被害額2500万円、オープン6日後に
被害にあったトレカ秘密基地、被害の様子
昨年11月、秋葉原に店舗をオープンしたトレカ秘密基地(運営:デジタル・クライス、東京都渋谷区)。そのわずか6日後に窃盗被害にあった。
被害額はトレカだけで約2500万円に及ぶ。トレカが入っていたショーケースはこじ開けられ、ガラスケースは大破。辛うじて金庫に保管していた約1000万円相当のトレカは無事だったが、入り口まで運び出された形跡があり、被害額は更に増える恐れもあったと言う。同社では防犯対策として、防犯カメラ(警備会社登録のない)と店内入り口にシャッターを使用。また高額品を保管する、設置型の大型金庫を備えていた。大久保翔店長は「オープン間もなかったため、他の防犯対策に予算を費やすことができていなかった」と話す。家財明記物件特約を含む保険には加入しておらず、保険対象になったのは壊された備品だけという。
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現金化しやすく
昨年末頃から、こうしたトレカ専門店の窃盗被害が急増している。昨年12月に都内だけでも秋葉原、池袋、町田市で発生している。中でもオープン間もない店舗や人通りの少ない道路に面する店舗が被害にあう傾向だ。
第553号(2023/02/10発行)28面