密を避けるで注目、ゴルフブームに陰り
2023年04月05日
コロナ禍以降のゴルフブームが若年層に広がって早3年近く経ち、そこから離れる層も現れはじめた。中古ゴルフ企業各社はレッスンやブログの情報発信、地道な接客など、つなぎ止めの施策をそれぞれ打ち出し、未来の常連客を育てようとしている。
若年層のつなぎとめに躍起
女性客目立つ
取材対象の多くが「(コロナ禍が)追い風だった」と口を揃える
中古ゴルフ事業単体で年商6億円近くを売り上げるアクオ(愛知県清須市)の森慎太郎社長は「コロナの自粛期間を経て明らかにゴルフ人口が増加した。近年のシミュレーションゴルフ店の数の多さでもそれは分かる。付き合いありきといったゴルフへの先入観が払しょくされ、若年層が増えた」と説明する。好況を受けて、同社は昨年末から今年の春までに新店を2店舗オープンした。
中古ゴルフ用品店ゑびすや(埼玉県狭山市)ではコロナ禍以前と比べて、女性客が5倍に増えた。それまではやや女性が入りにくいとも指摘されていた同店だが、密を避けるレジャーとして注目されたゴルフブームを受けて、おのずと客層を拡大した形。このほか、男女20~30代の若年層というカテゴリーで見ても以前よりも3倍に急伸した。
女性客から人気なのはダンロップ社のゼクシオだ。同店では現在、女性向けの中古ゴルフクラブの供給数が足りていない状況。だが一方で、ブームはすでに落ち着きを見せはじめ、新しくゴルフを始めた若年層が離れつつあるという。そのため同社ではつなぎ止めの一環として、以前より取り組んでいたゴルフレッスンサービスの利用を勧めている。「ゴルフは自分で練習してもなかなか上達せず、それが早期リタイアの1つの要因なのでは。レッスンを受ければすぐにうまくなれるので、続けるモチベーションを得られる」と岩瀬文平社長。
第556号(2023/03/25発行)16面