当時21歳の女子大生だった楠生愛里氏が創業したのが、ポケカの対戦スペース・販売店「トレカ地方」だ。現在創業3年目にして法人化を経て、4店舗体制にまで広げた。接客・従業員の質を重視した手法で他店と差別化し、事業を軌道に乗せている。
2年で4店舗体制へ
1店舗の月商1000万
愛知と静岡で計4店舗を運営
最初は地元である豊橋に出店し、浜松・名古屋・静岡と東海エリアで店舗を広げてきた。業績は順調に推移しており、名古屋店の月商は約1000万円。昨年11月に法人化し、ポケモンカードのパックの言葉を引用して「シャイニースター」を社名にすえて代表を含む全従業員5名で運営している。同店はポケカの対戦場を設けたうえで、中古トレカの小売りを行う。「オリパ(オリジナルパックの略)」という、開封されるまで中身が分からないポケカのまとめ売り手法が強みで、一般的なトレカ店の提供するオリパよりも利益率を低くレアものを多めに設定したことで「オリパが強い店」として人気を得ている。豊橋店の場合、好調月でオリパが1600セットも売れるという。
楠生氏は創業にあたって、競合トレカ店の「無機質さ」に課題意識を持っていた。「チェーン店の仕組みやアルバイトの方の淡々とした対応などによって、なんだか入りづらい雰囲気があった。もっと接客を重視するトレカ店があってもいい気がした」(同氏)。楠生氏は両親が飲食店の経営者だったこともあり、接客が得意だった。その強みを活かして積極的にお客に話しかけるスタイルを展開。従業員とお客の距離が近いトレカ店は珍しかったらしく、アットホームな店として口コミが広がっていき、ファンが徐々に増えていった。「常にニコニコと話しかける」(同氏)。
第571号(2023/11/10発行)17面