買取り不可となることも多い「雑誌」が、リユース市場で新たな価値を見出されている。1990年代に発行された一部の雑誌には、2000円以上とプレ値がつく品もあるという。雑誌を通して好きなコンテンツのルーツや当時のカルチャーを知りたいと「史料」の1つとして需要が高まっている。
2000円以上のプレ値がつく品も
若年層・インバウンド客が
ニッチなジャンルに注目
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月刊女性ファッション雑誌の「non-no(ノンノ)」1991年7月号は、定価の3倍近くの1500円の売値がついている
「10年以上前は1990年代の雑誌は動きませんでしたが、ここ4~5年で売れるようになりました。ストリートファッションが題材の『Boon(ブーン)』や、ギャル雑誌の『egg』といった、コア層がほしいニッチな雑誌が高騰した印象です」と話すのは、中古サブカル大手のまんだらけ(東京都中野区)にて、本部門責任者を務める久保田真氏だ。
同社は中野ブロードウェイの4階に、アートブックや美術書、写真集などの古本をメインに扱う「まんだらけ海馬」を設けている。雑誌が占める割合は10%ほど。2000年以前に発行されたファッション雑誌の新品価格は、500円前後が大半だ。同店が販売する中古雑誌の売値は、定価の半値ほどがほとんどだ。だが一部の雑誌は定価の倍近くで販売し、なかには2000円以上のプレ値がつく品もある。
プレ値がつくかは、雑誌が取り上げているファッションやカルチャーに、どれだけファンがいるかにより決まる。
第585号(2024/06/10発行)11面