中古PC地方催事販売で年商25億円 ― リングロー 碇敏之社長

XP特需の終息で、青色吐息の中古PC市場......かと思いきや、｢中古市場は伸びている｣とリングロー(東京都豊島区)の碇社長は言ってのける。裏付けるかのように、同社は売上げを40%伸ばし2016年6月期は25億円を売り上げた。碇社長の目には、いったいどのようにマーケットの風景が映っているのだろうか。

リングロー　碇敏之社長

時間のかかる｢コスト高｣お客さん、量販店が対象にしていない

――中古PC市場は、一次流通の減退とリンクして縮小傾向にあると思っていました。御社は違う認識のようですね。

2014年度の中古PCの販売台数は前年から17%増加し270万1000台と推計(RITEA)されています。実際に私も堅調に伸びているのを感じています。昔ながらの、玄人向けの中古PC販売店は確かに苦しくなっていますが、国内でも、まだ手にしていない人がたくさんいるのでニーズがあります。

――手にしていない人そんなにいますか？

当社が特に注力しているのが、町とか村とかいわゆる｢田舎｣です。家電量販店もPC店も、一定以上の需要が見込めないと店をつくらないので、こういうところには行き届いていないんです。うちは、提携業者と一緒に市町村の商工会議所なんかを借りて、中古PCの販売会を年間1200〜1300回開催しています。

――結構な回数ですね。いつからですか？

約1年半前です。地方から、｢興味あるけどオレにもできる？｣｢教えてほしい｣という声があがっていたので、届けたいなと思っていたんです。ネット販売とかお店とかだと難しいと考えあぐねていたところ、中古PCを提供してほしいと今の提携業者から打診を受けたのがはじまりです。でもまさか、ここまで売れるとは思っていませんでした。もともと卸メインにやってきましたが、今では売上構成比の50%がこの催事販売によるものです。

PCに関する相談 無料で何時間でも

――高齢者とかリテラシーの低い層が対象だと思いますが、知らないゆえに購入に慎重ということはありませんか。

実際に現場で販売しているのは提携企業ですが、当社でお客さんが購入後も安心して使えるように｢リバースバイリングロー｣という安心保障のステッカーを製品に貼りつけています。PCに関する相談はうちのカスタマーセンターが無料で何時間でも対応するんです。

395号（2016/07/10発行）7面