「敬語」であえて距離感を
世界的に有名なトレカゲーム『マジックザギャザリング』専門のトレカ店、晴れる屋。バイヤー担当の安藤英里子さんの接客は、「丁寧なのに、無駄がない」とお客を虜にしている。
晴れる屋(東京都新宿区)安藤英里子さん
同社が専門に扱うマジックは、他のトレカゲームと比べユーザーの年齢層が高め。「大学生くらいから30代の男性のお客様が多いです。高額なものだと、数十万円以上する商材もあるため、お客様からの信頼度、満足度を意識しているんです」。
安藤さん自身も小学生時代からトレカを楽しんできた、愛好家。そこで培ってきた専門知識と、前職のテレオペで学んだと言う丁寧な口調で、お客の心を掴んでいる。
100枚15分!査定は目の前で早く
『査定時間は早く、査定説明などお客と接する時間を長く』が安藤さんのスタイル。100枚程度なら、15分で査定完了すると言う。
「見るポイントを絞っています。例えばカードの縁はかけやすかったり、四隅や真ん中は折れやすいんです。そこを重点的に見て、手早く査定します」。
預かったカードはお客の目の前で査定する。「お客様の大切なカードなので、バックヤードなどお客様の見えないところで査定してしまうとそれだけで不安に感じてしまう人もいる。配慮しています」。
フレンドリーにしても雑にはしない
「もちろんゲームの話をふられると、雑談をすることもありますが、店員とお客様という意識は常に持っています」。安藤さんは「敬語は崩さない」ことで、線引きをする。
なれ合わないことで買取り時良い緊張感が生まれる。例えばお客のなかには、安藤さんよりプレイ歴が長く、ゲームについての知識がある人もいる。しかし、特に動揺することはないと言う。
「買取方法について学んでいるので、お客様に納得のいく説明を買取のプロとして提供できます」
査定後お客から一目で価格が分かるように、専用のマットの上にアイテムを並べる。
「状態が悪く価格を下げたものは、カードの向きを逆にするなど工夫しています」
405号(2016/12/10発行)9面