成長企業の戦略(3)ポポンデッタ、体験コーナーをスタンプ制に
2017年01月18日
体験コーナー、スタンプ制に
鉄道模型をプレゼント
ポポンデッタ (鉄道模型)
22%UP!!
中古売上6.5億円(2014年8月期)→7.9億円(2015年8月期)
新品・中古の鉄道模型専門店を全国で約50店舗運営するポポンデッタ(東京都千代田区)。2015年8月期の全体売上げは26.6億円、うち中古は7.9億円に成長した。
成長理由となったのは、「女性や子どもなどライト層への訴求の取り組みが奏功しているため」と太田和伸代表は話す。
店内入口にジオラマを設置し、鉄道模型を走らせるなど入りやすい店づくりを追及している。
同社では以前から鉄道模型を貸出し、実際に店内のジオラマで走らせる体験コーナーを有料で提供している。これを2年前からスタンプ制にしたところ好評で、売り上げに大きく貢献していると言う。
「2周で300円。お客様にスタンプカードを配布し、1回ごとにスタンプを押して、貯まると鉄道模型をプレゼントしているんです」。景品は同社のオリジナル鉄道模型や、1万5000円相当のスターターセットなど本格的なもの。
「一番勇気のいる1台目をプレゼントすることで、家でもっとやりたい、もっと欲しいと購買意欲を掻き立てることができるんです」
同社が店舗展開するのは、デパートなど商業施設内。デパートに買い物に来た親子連れがジオラマに触れ、夢中になりお客になっていく。
「年商300億円以上の商業施設または、駅近くの年商100億円以上の施設を目安に出店を決めています」。
その他にも店頭スタッフの質も、商業施設内の他店舗に劣らないレベルに引き上げた。「鉄道模型店のなかでは良い方だと自負していたが、周りはアパレル店などで、このままではだめだと強化しました」
自社で年4回覆面調査を取り入れたり、外部講師の研修を行う。「商業施設内のロールプレイングコンテストで入賞する店舗も出てきました」。ライト層でも通いたくなる店づくり・サービス・接客を実現し、2016年8月期は全体で29億3000万円を売り上げた。うち3割が中古だ。
鉄道好きを増やすカフェやアパレルも
イオンモール広島府中店の様子
昨年11月新たにオープンしたイオンモール広島府中店では、実際に乗車可能な鉄道を設置。物販スペースの傍らで、楽しむことができる。
同社がデザインするTシャツ
その他にもジオラマを設置したカフェやバーなどの飲食店や、鉄道をテーマにしたアパレルのデザイン・販売など業態を広げている。
407号(2017/01/10発行)12-13面