カメラマンの派遣も行う
2015年設立のAncar(東京都目黒区)は、中古車専門のC2Cサービスを展開している。高額で安全性が気になる『車』だが、写真撮影や整備を行うことで、個人間売買の抵抗感をなくしている。
アンカーの売買のしくみ。アンカーが写真撮影やメンテナンスの面でフォロー。円滑な売買を手助けする
現在1都3県で展開する車のC2C売買サービス、アンカーは、中古車の特徴を加味したサポート体制でユーザーを魅了する。
まず写真撮影。アンカーの商品ページでは、1台あたり80〜100枚の写真を見ることができる。これを撮影しているのは出品者ではなく、アンカー側から派遣した専門のカメラマンだ。
「成約するかどうかは、写真で決まると言っても過言ではない。出品者自身で撮影すると、ピントが合ってなかったり、暗くてよく見えないだとかいう問題もおこる。出品者の手間も省けます」(城一紘代表)
派遣するカメラマンは、現在クラウドワーカーを利用しており、全国で対応可能。撮影する箇所や、取り方などは細かくマニュアル化しており、通常1台あたり約150枚ほど写真撮影すると言う。
その写真をもとに、アンカー側で車を査定。出品者に参考価格を提示している。
「一般の方は車をいくらで売ればいいか、検討もつかない人が多い。相場や状態などを考慮し、一番売れやすい価格をご提案しています」(城代表)
アンカーに出品すると同時に、グーネットや価格ドットコムなど複数の中古車販売サイトに掲載される点も特徴だ。
安全面にも、最大限配慮する。成約のめどが立つと、同社提携工場でチェックを行う。
「車は命を預けるものです。そのため第三者機関の点検作業は、絶対に譲れません」(城代表)
提携工場は、サービスを提供する一都三県で450拠点にのぼる。
城代表の実家は、兵庫県で整備工場を運営する。その人脈を活かし、今後も提携先ネットワークを広げていける見込み。「全国規模で考えると数千、数万と候補先はあります」(城代表)
アンカーのサイト。ポルシェなど高額な外車の出品が目立つ。
平均価格は300万円程。これまで1000万円の車が成約したこともあると言う
412号(2017/03/10発行)16面