買い取りや販売を促進する手法のひとつとしてメールマーケティングがある。クリエイティブジャパン(東京都豊島区)が運営するアクティブメールは、メール広告の送り先を細かく絞り込むことができる上、開封されなければ費用がかからない。現在400社以上が利用しており、その内7割がリピート利用している。
14万人の会員に関心あるメール
クリエイティブジャパンは、消費者意識などを調査するリサーチ会社だが、集まったアンケート結果を元に、メール広告を配信するサービスを開始した。
同社が運営する「ボイスノート」というサイトには14万人の会員が登録している。会員は、このサイト上でアンケートに回答してポイントを獲得したり、自分の関心あるカテゴリの情報をメール広告として受け取ったりすることができる。
会員は登録時に200項目のアンケートに回答し、身分証を登録している。さらに日々届くアンケートにもどんどん回答している。メール広告を打ちたい会社は、これに基づいてアプローチしたいターゲットを絞り込み、メール広告を送信する。例えば「30代〜50代女性」で「個人年収が500万円以上」で「ブランド品・宝石を処分しようと思っている」という絞り込みが可能だ。この絞り込みは、クリエイティブジャパンがこれまでに行った既存のアンケート結果から実施することができるものだが、さらにアンケートを追加すればより精度の高いセグメントを行うこともできる。
アンケートやメール広告の送信費用は無料で、開封された時のみ課金される。一通の開封単価はターゲットの数によるが20円〜500円ほど。
「メール広告は開かれさえすれば効果が高いと言われていますが、なかなか開封されないのが実状です。開封率は0・1%〜1%程度が相場と推計しています。当社は広告配信の対象者をアンケート調査で絞り込むことで、関心のある人だけに広告を配信します。それによって44%の開封率を誇っています」(山下隆輝課長)
床の間ある人だけ骨董プロモーション
送信したらそれきりではない。送信後に見込みの無いユーザーをカットし、「より活きた見込み客」を特定していく。
例えば、ある骨董店が掛け軸販売のプロモーションを行うためにアクティブメールを利用した。初回は「一戸建てに住んでいる会社員」を対象にメール広告を行ったが、その中で床の間があるユーザーが購入に至る可能性が高いと分かったため、次の広告メールは「床の間のある一戸建てに住んでいる会社員」に絞り込んで送信し高い反響を得たと言う。広告の送り主からしても無駄打ちが少なくなり、メールの受け取り側としても、自分に関心の無いメールが届かなくなり、関心のある情報だけを受け取ることができるようになるというメリットがある。
417号(2017/06/10発行)14面