有賀園ゴルフ、855坪で新品・中古販売
2017年10月09日
新品ゴルフ用品店を20店展開し、年商約94億円を上げる有賀園ゴルフ(群馬県高崎市、以下有賀園)。今年4月に中古ゴルフチェーンの「ゴルフ・ドゥ!」とタイアップし、大型スポーツモールを出店した。ゴルフ用品の新品・中古販売、スクールなどトータルで提供し、賑わいを見せている。
大型スポーツ・レジャー用品の施設「有賀園モール」の外観。延床面積は855坪ある。大型モール自体も、今回初の挑戦だ
ゴルフ・ドゥ!とタイアップ
有賀園は、大型スポーツ・レジャーモールの「有賀園モール」を4月14日、群馬・太田にオープン。延床面積855坪でゴルフ・釣り等の様々な業態を入れている。この2階フロアで、400坪弱で新品販売を行う「有賀園ゴルフ太田店」と、約130坪で中古買取・販売を行う「ゴルフ・ドゥ!太田店」を展開。ほか「ダンロップゴルフスクール」もあり、「ゴルフに関連する様々なことを完結できる」(営業部・熊谷高部長)フロアを作った。
モール内の、「有賀園ゴルフ太田店」の内部。クラブ・ウェア・用品を幅広く提供
集客力のある大型モールでの出店が奏功し、有賀園・太田店(新品小売フロア)の売上は想定以上だと言う。初年度売上予算の120%ほどで推移し、「同じ規模の既存店に比べても売上は大きく出ている」(熊谷部長)。新品と中古の店舗を同じフロアで展開してもお客の奪い合いは無く、共存できていると話す。「高くても新品が良い人、質が良いなら中古で満足という人など、そもそも客層が二分化してきているためです」(熊谷部長)。
また多様化するお客のニーズに応えられる点も大きい。「買取りでゴルフ・ドゥ!を利用し、有賀園で新品を買う」、「クラブによって新品・中古どちらを買うか使い分ける」、「スクール通いの帰りに買い物をする」など、一人のお客が回遊して複数店を利用することも、好調な出足に寄与した。
買替え促進図り中古ニーズにも応える
有賀園自身もかねてから、リアル店18店でクラブの下取り・買取りを実施している。メンテナンス・検品後に、主にヤフオク!等のECモールで販売。中古クラブで全体売上の3〜4%の規模を作っている。
同社が中古事業を行う大きな理由は、新品への買い替え促進だ。同時に中古を求める人のニーズにも応えていく方針だ。
「特に市場がピークの頃にゴルフを楽しんでいた世代が70〜80代と高齢化しており、若い世代を開拓しないといけません。とりわけゴルフは新しく始めるには敷居が高いと思われがちなスポーツ。ロープライスの良新品とともに中古品も入口にして、気軽にゴルフを始めてもらいたいですね」(熊谷部長)
中古クラブは一部店舗で販売(写真は高崎本店)
大型化&豊富な商品お客を飽きさせない
ゴルフ市場は縮小しているが、同社の売上高はここ数年右肩上がりを続けている。ECの成長と、「リアル店を大型化し、お客さんが飽きない工夫をしている」(熊谷部長)ためだ。
現在の有賀園の標準店は200〜300坪クラスで、クラブだけでなくゴルフウェア、用品なども豊富に提供。PB商品のゴルフボール等も扱う。小型店ではこれらを十分に揃えにくいため、店舗を大型化して魅力を高めている。
「これまで50〜150坪だった店舗も、大きな店舗にリニューアルをしています」(熊谷部長)
大型モールで多様なニーズに応える
そもそも有賀園モール自体を作ったのも、多様化する顧客ニーズに応えるためです。例えばレッスン目的で来た人でも、「クラブを見ていこう、おしゃれなウェアや消耗品を買っていこう」など、色んな店舗を利用してくれるわけです。お客さんが途切れることがありません。
総合釣り具の上州屋さんにも出店してもらっていますが、「熱狂的に取組む」という共通点から、ゴルフ用品を買う方と顧客層が一致する面があるんですよね。親和性があると感じました。
有賀園ゴルフ営業本部営業部 熊谷高部長
424号(2017/09/25発行)20面