《仕事ができる人の1日》ドラムス プロショップ ゲイトウエイ、植木 寛郎さん
2019年05月05日
プロ御用達の本格派ドラムショップ
初心者でもわかる解説で他店と差別化
39歳。ゲイトウエイ渋谷店のドラムスクールに通っていた時、同社のローディーサービスの求人に応募し、専門的な知識もなかったので断られかけたが、丁稚奉公的な志願をして無理矢理入社。その後はアルバイト期間も経て25歳で社員となる。2008年に先代店主の引退に伴い、看板を譲り受けて代表取締役になる。同時に杉並区に移転。ショップには併設のスタジオが4つある。
初心者もプロも満足するように
プロも通う老舗ドラム専門ショップ「ゲイトウエイ」。販売の他、リペアやレンタルなど、ドラムに関する業務を幅広く行う。販売における中古と新品の割合は2:8。ネット販売の割合は5割を占める。植木さんは、他店と差別化するため、カタログにあるような商品の説明ではなく、商品のコメントは自分が試した感想を書いている。
「今日からスティックを持つような初心者にもわかりやすく、を心がけています。また、このドラムはこんなジャンルの音楽に使いやすいといった、ドラムテクニシャンからの視点でもコメントしています」。
また、ドラマーが「あったら便利」と思うパーツを海外から取り寄せて販売している。「太鼓は100年前のものでも十分使えますが、金具がダメになることが多い。替わりとなるパーツを探して販売するなど、マニアックなニーズに応えるようにしています」
結婚式にドラム一式レンタル
今伸びているのは、ドラムのレンタル事業。忘年会や卒業パーティーなどにドラムセットを届けてセットし、終わったら撤収する。都内なら配送付きで約2万円。現在はブライダルプランナー会社とも提携し、徐々にレンタル数を増やしている。「うちはレアな楽器やヴィンテージ機器も揃えているので、演奏以外でも撮影用途のレンタルも増えています」と植木さんは話す。
チューニングは二刀流で
植木さんの七つ道具。①スマホの充電器②ドライバー③チューニングキー。二つあるのは両手でさで作業ができる④音楽用耳栓 一般的な耳栓とは異なり、音質をあまり変えずに音量を下げられる⑤レンチ⑥スケジュール帳はTO DOリストとして使用また、手袋はドラムセットを運搬する時に欠かせない
100年ほど前の太鼓。リペアをしながら使い続けることができる
子どもスクールやサンバで地域交流
渋谷区から住宅街の杉並区に移転したことで「子ども向けドラムスクール」がスタート。植木さんとパーカッションクラス講師の林秀樹さん主宰のサンバチーム「キズンビーニャ」には子どもや保護者、地域の人まで参加し地元のお祭りにも出演している。プロが多かった渋谷の時に比べて、客層が広がっている。
第462号(2019/04/25発行)12面