廃棄物収集の武松商事、中古家具輸出に本腰 40ftコンテナ、月4〜5本輸送
2019年06月16日
廃棄物収集や中間処理を行う武松商事(神奈川県横浜市)が、リユース事業に本腰を入れている。個人や法人から買い取った家具などの海外輸出に昨年から着手し、40ftコンテナ4〜5本分を毎月フィリピンへ輸送している。5月には物流を担う500坪の倉庫を横浜に新設した。
同社は1976年に創業。主に横浜市を地盤に事業系廃棄物の収集・処理を手掛けてきた。横浜市からは一般廃棄物収集運搬業の許可を得ており、行政の窓口を介する形で一般家庭の粗大ゴミ回収も担っている。
「2000年代より広がり始めたとされる循環型社会の形成」(宮澤保取締役)により、同社でも廃棄のみならずリサイクル・リユース領域まで事業を拡大してきた。
07年には「エコクル」の商標で一般家庭への出張サービスとして不用品回収や遺品整理などを展開。17年には「エコクルボックス」の名称で、幅65㎝・高さ45㎝・奥行45㎝サイズの箱に不燃ゴミや粗大ゴミを詰め、1回あたり6500円での訪問回収や一部で買取りのサービスも始めた。エコクルボックスの受注数を倍増ペースで上げ、かご車タイプの大型サイズと合わせ18年度では500個のボックスが稼働した。
こういった家庭からの不用品に含まれる家具や、食器、ぬいぐるみなどの雑貨を輸出業者を介する形で海外リユースを強化。また事業系から排出された引取物なども合わせて輸出している。フィリピン現地の古物市に出品され業者などにより競られている。
武松商事の2019年4月期の会社売上高は44億円程。
第465号(2019/06/10発行)6面