東京書房、開業70年の古本買取店が閉店 事務所と統合し営業継続
2019年06月15日
東京・自由が丘で、昭和23年から古本買取店を営業していた東京書房は5月12日に同店を閉店。買取機能を事務所のある神奈川県川崎市へ移転させた。
同社は年間2000件の買取実績を持つ。取り扱う本は江戸明治〜最新刊まで。ISBNコード(国際標準図書番号)の有無は問わない。顧客のリピート率は50%ほど。
代表の和田達弘氏は、約25年間、1万件以上の訪問買取を行ってきた。「インターネットが登場し、自分たちで本の価値を判断し、仕分けをする人々が増えた。しかし本の価値は、ISBNコードやバーコードの有無で決まるわけではない。ネット情報だけを頼りに、価値のある本が捨てられてしまうことに危惧を覚えた。70年続けられていることはお客様だけでなく、同業者や取引先、友人の支援があってのことだ」。
今夏には小学生以上を対象に、商品のピックアップ、梱包、発送業務などを行う職場体験を実施予定。「将来に渡って業界を盛り上げていくためには、子供たちが古本に触れる機会が大切。古本に関わる仕事に興味を持つ子供が1人でもいてくれたら嬉しい」(同氏)。
第465号(2019/06/10発行)5面