本屋lighthouse、店主 関口竜平さん
2020年05月05日
仕事ができる人の1日
若き店主のアイデアが光る
畑のプレハブ書店
本屋 lighthouse(千葉県千葉市)
店主 関口竜平さん
27歳。就活に悩んでいた大学時代、「本棚を通して様々な生き方や考え方があることを提案できる本屋になろう」と、30歳までに書店を開くことを決意。26歳の時に「本屋lighthouse」をオープンした
祖父の畑に立つ「本屋 lighthouse」関口さんが自分で建てたプレハブ小屋だ。敷地は祖父所有なので、維持費はほぼゼロ。昨年の台風で小屋の一部が壊れたため、外壁などを修復した
住宅街の中の畑にポツンと立つ書店。不思議な存在感を放つ「本屋lighthouse」。雑誌に紹介されるなど話題を呼び、遠方からもお客が来る。
店主の関口竜平さんがDIYで1年半かけて作り、2019年5月に開店。開くのは金・土曜日のみ。その他の日は新刊書店と出版社で働いている。在庫は約700冊。9割が新刊で1割ほどが古書。
ユニークな取り組み「こども読書ちょきん」は、売上1点につき店が10円を貯金するもの。貯金は子どもが本を購入する時に使うことができる。近所の子どもが「今日はお金がない」と言って帰ったことがきっかけだ。「利益より、本好きな大人になってもらうためのタネまきです」と関口さん。
数年以内にはインフラの整った店舗にする予定。飲食やイベントもできるスペースを作りたいと考えている。
手作り感あふれる什器がならぶ店内
引き出しにも本を入れている
それぞれの引き出しに「大人になったからこそわかる」「人類全員にかかわるテーマ」など、テーマをつけている
関口さんの七つ道具
購入者ごとにスリップを保管
スリップ(売上カード)が入っていない新刊には、スリップを作成。プリントしたスリップをカットする直角定規とカッター、マットが愛用品。左のノートには購入者ごとにスリップを貼っている
このお客の場合、発達障害や社会的エッセイをまとめて購入している
「この方は介護や生きづらさについて興味のある方だということがわかります。こうした本を同じ棚に並べるなど、棚作りのヒントをもらっています。また『え?この組み合わせ?』という新鮮さを感じるものもありますね」(関口さん)
第486号(2020/4/25発行)14面