「総額表記」に戸惑う古書店、各店舗の対応は
2021年03月21日
4月施行の消費税総額表記まで、残りわずかとなった。この法律に最も悩まされた業種の一つが古書店だろう。店舗によっては外税表示の継続を決めたところもある。各店舗の対応を聞いた。
1冊ずつ値札替え、「+税」押印する店も
総額表示義務化が古書店に大きな負担となった
新刊本と古本の両方を扱う三洋堂書店(愛知県名古屋市)では、新刊本に関しては出版社側の対応になるため、本体価格表示と総額表示が混在しているという。古本に関しては同社が使用しているラベル印字システムを11月ごろより刷新。店頭買取時に税込表記で出力を行っており、在庫入れ替えなどの時期に合わせて対応をすすめている。
また25万冊の在庫を持つ、つちうら古書倶楽部(茨城県土浦市)でも、値札の張替え作業に追われている。本体価格の改定は行わず、価格にそのまま消費税を加えた額にする方針だ。
同店では、今後の買取品や売れ筋商品、低単価品から値札の張替えを順次行っているという。パソコンから値札をプリントアウトし、カットした上で値札を張り替える。「税込価格になることで、値上げしたような感覚になるかも知れない。客離れにつながらないか不安」(佐々木嘉弘代表)。
第508号(2021/3/25発行)14面