上場リユース3月決算、中古ブランド店が苦戦
2021年06月04日
3月を決算期とする上場企業の通期業績が出揃った。新型コロナがまん延し1年目となった前期、総合リユース勢では売上を前年より上回った企業や、下回っても前年比90%台に耐えた企業が目立った。一方で、衣料やブランド品は厳しい状況だ。引き続きECや業態のテコ入れなどが、カギを握りそうだ。
中古ブランド店が苦戦
ECや業態のテコ入れがカギ
社名 | 中古売上高(億円) | 前期比 | 前期比 |
---|---|---|---|
ゲオHD | 1307.3 | 6.9% | セカンドストリートでEC併売。EC関与売上高は前期比28.3%増 |
ブックオフGHD | ※ア 801.2 | ※ア -5.1% | アプリ会員300万人まで飛躍。ネット購入品の店頭受取が好調 |
コメ兵HD | ※イ 466.0 | ※イ -13.5% | ECサイトリニューアル。EC関与率は前期比13ポイントアップ |
ハードオフコーポレーション | 200.3 | 11.6% | ネット販売、既存店ベースで約1.9倍に |
シュッピン | ※ウ 180.0 | ※ウ -7.6% | メーカーの新製品発売&自社のEC投資の効果でカメラ好調 |
大黒屋HD | ※エ 123.1 | ※エ -27.3% | ネット店舗商品売上高は前期比44.7%増 |
※ア)5月期に決算期変更により、21年5月期第4四半期の連結業績、ならびに20年3月期との比較で算出。また単一セグメントのため売上高は中古のみではない。※イ)ブランド・ファッション事業の売上高を参考。売上高は中古のみではない。※ウ)中古品比率を参考に算出。※エ)質屋、古物売買業の売上高を参考
ゲオホールディングスの中古売上高は前期比6.9%増の1307.3億円。カテゴリ別では、「セカンドストリート」で主に構成する「リユース系リユース」の売上高が同16%増の768.4億円、「ゲオ」などで構成する「メディア系リユース」の売上高が同3.9%減の538.8億円だった。リユース系ではセカスト店舗商品のEC併売を進め、EC関与売上高は同28.3%増となった。「店舗在庫からの出品登録を推進し、EC販売可能商材の拡大をしました。リユース系売上の伸びには『おお蔵』の売上増加が寄与」(広報担当)
ブックオフグループホールディングスは決算月を5月に変更したため、現時点では第4四半期としての開示となる。昨年4月~今年3月の業績は、会社売上高が前期比5.1%減の801.2億円だった。4Q累計では巣ごもりにより書籍売上は同2.2%減と底堅く、また「トレーディングカード・ホビー」は同8.2%増とカテゴリ別では最も伸長した。一方でアパレルは同23.9%減と最も低かった。現在はスマホアプリ会員数が300万を突破。ネット購入品の店舗受取利用も好調だ。「導入店は699店舗となり、4月のチェーン注文実績が1億円を突破するなど好調に推移」(小湊貴治広報担当マネージャー)
第512号(2021/5/25発行)20面