今回は、トレカ市場の様々なプレイヤーの存在、そして市場領域をご紹介します。
第1のプレイヤーとしてまず思いつくのはカードショップですね。カードショップはトレカのメーカーからの一次流通を担いつつ、シングルカードの中古買取・販売を行う専門店です。トレカを買取りに出したり、対戦したり大会に参加する場所として20年以上盛り上がり続けています。最近ではブックオフ、TSUTAYA、ホビーオフなどの大手買取店の中に1コーナーとして設営されるケースや、新たに特化型専門店としてオープンする場合もあります。東京では秋葉原、大阪では日本橋、愛知では名古屋の大須にたくさんのカードショップがあり、秋葉原には既に40店舗以上のショップがあります。大都市に集まる傾向で、少し外れると1店舗もないといった集積型ビジネスになっています。狭い立地で売り場も小さい店から、大規模な席数を確保し大会を定期開催するトーナメントセンターのようなショップまで存在します。4畳半で始められるのもカードショップ開業の一つの魅力です。
ショップ中心に様々なビジネス展開
中には無店舗型で宅配買取を行い、ネットオークションや自社通販サイトでのみ販売している企業も多数存在し、場所を広く取らないことから自宅で開業するケースも増えています。尚、カードショップの中でもシステム開発に強みを持っている企業の中には、査定システムやデータベースを企業向けに販売するBtoBの事業展開も見られ、さらにはFCビジネスもあります。飲食店系の企業が並行してカードショップを展開する事例もあります。また、カードショップから派生し、飲食店業態として経営しているTCGカフェ(バー)、デュエルスペース専用施設など新しい業態も見られ、既存のショップと並行して経営する場合や、単体で新規に事業を立ち上げるケースがあります。それらの店ではトレカのパック開封なども楽しめるよう、新品も購入できるケースが増えています。秋葉原、新宿、池袋、大阪などに1~2店ほどある一方、大規模展開している企業はまだ見られません。
第531号(2022/3/10発行)7面