古本店のブルーバードブックス、女性が単身で移動販売

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「古物開業物語」

古本店のブルーバードブックス、女性が単身で移動販売

2023年02月18日

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草薙みちるさんが運営する古本店のブルーバードブックスは昨年本格始動した移動販売専門店だ。埼玉県三郷市を中心に催事に出店し、月に十数日の稼働ながらも今では月商約20万円。地域の書店が減っている現状を憂い、読書人口を少しでも増やすために活動する。肩肘張らない運営スタンスで、持続可能な経営を考えている。

地域の読書人口増に貢献

クラファンで成長

古本店のブルーバードブックス 店主の草薙みちるさん店主の草薙みちるさん

草薙さんは開業するまでコンサートの裏方や配送ドライバーなどで活躍。運転や設営のスキルといった素地を活かし、移動販売という業態に可能性を見出した。業務用の白バンは手に入れていたが、店として箔をつけるうえで内外装の必要性も痛感。そこでクラファンから資金を募ったところ、50万円を超える支援金が集まった。また、クラファンの過程では事業方針を言葉にして頭の中を整理できるという副産物もあったという。「古書の移動販売はまさに『自分ではできないけど誰かにやってもらいたい』という事業の形だったのでは。クラファン前から多くの人たちが素敵だと褒めてくれていて、自信はあった」(同氏)。

絵本・児童書中心

在庫は800冊近くで、絵本・児童書が中心。コミックエッセイ、趣味もの、海外カルチャー系も揃える。客層は親子連れが多く、客単価は1000円程度だ。フリマやマルシェに出店し、1日あたり1万~4万円ほど売上がある。古書はすべてオンラインで購入したもの。バリューブックスと八木書店のバーゲンブック(値引きされた新品書籍)が現在の主な仕入れルートだ。草薙さんによるとバリューブックスは他ネット書店よりも安く、また状態によって同じ本でも値段が変動するため、仕入れには重宝するという。原価率は40~50%を目安とし、販売価格は3段階で設定している。「常連は母親世代が多い。わが子用の絵本と自分用の本という組み合わせ。子育てが一段落し、久しぶりに本を手に取るには古書がちょうどいいのでは」(同氏)

古本店のブルーバードブックス 中心顧客は子連れの母親だ中心顧客は子連れの母親だ

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第553号(2023/02/10発行)20面

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