新年の初競りが終わり、2月に入ってブランド古物の相場が出そろってきました。前回の小欄で「今年の相場展望は明るい」とお伝えしましたが、時計に関してはまだ回復は遠い模様。ですが、ジュエリー、ブランドバッグでは上昇が見て取れました。中国のゼロコロナ政策撤廃により3年ぶりに勢いのある春節が訪れたことで、中国からのインバウンド特需も後押ししています。
今回は各カテゴリの気になるトピックを挙げながら、直近の相場感を振り返っていきます。
まず時計は、冒頭に触れたとおり動きが鈍く、昨秋からの下落トレンドが続いています。急速な円高の影響から投機目的勢が手控えた影響があらわれています。オークションの落札相場や、買取店の価格を見ているとロレックスの一部モデルで多少反発が見られるものの、円高を受けた"為替なりの変動幅"程度のようです。良くも悪くも現在ドル円相場は落ち着いており、相場を上向かせる材料も乏しい。流れを変えるとすれば、3月末の各ブランド新作発表への期待でしょうか。
存在感増す中国パワーとサステナブル潮流
第554号(2023/02/25発行)15面