コロナの行動制限が緩和されて以降、演奏活動が盛んになってきたことで、楽器店にファンが戻ってきている。また、2020年の「巣ごもり」を機に楽器を手にした層が次の楽器を探す動きもある。新品が値上がりする中、手が出しやすい割安な中古品が注目を集めている。
コロナで楽器始めた層が
中級者にステップアップ
ハードオフ楽器STUDIO吉祥寺店にはミュージシャンのほか、学生も戻りつつある
中古楽器店を訪れる客層で目立つのは、初心者から中級者へ進む層だ。主に、コロナ禍の巣ごもり期間中に楽器を手に取った層が、次の楽器を求め始めているものと見られる。
巣ごもり期間を機に楽器へ手を伸ばした人は、都市部に多い。総務省統計局の調査では、趣味・娯楽として「楽器の演奏」を挙げる人は、21年で約114万2700人。16年の約124万人と比べ減少している。ただ、東京都に限れば、16年に約17万7100人だった楽器の趣味人口は21年に約18万4400人に増え、大阪府は約7万9100人から約7万9300人と横ばいだった。
ハードオフコーポレーションが東京都内で運営する楽器専門店「ハードオフ楽器STUDIO吉祥寺店」でも、20年4月当時は1万円台の初心者向けのアコースティックギター需要が大きく高まった。
第566号(2023/08/25発行)13面