【ネットとリアル】ジモティー、リアル版で住民交流促進 千葉流山の交流スペースと協業
2019年05月19日
ウェブ上で不要品の「売ります・あげます情報」など、掲示板サイトを展開するジモティー(東京都品川区)が、地域活性のための実証実験を行っている。千葉流山にあるコミュニティスペース「machimin」(運営:WaCreation)と4月より協業を開始。地元で集めた不要品のアップサイクル製作・販売を通じ、シニアや子育て世代に交流や活躍の場を提供している。
新しい地域貢献の形見い出す
「ネット型サービスを提供してきたジモティーが、リアルの地域に対し何を提供できるのかを探りたい」
広報の宮本亮氏はこう語った。現在、月間利用者数1000万人を有するジモティーが、新しい地域貢献の形を見出そうとしている。
今回協業先となったmachiminが立地するのは千葉県流山市。同市は2005年に開通したつくばエクスプレスの影響で人口流入が激しい。30~40代の子育て世帯が10年間で約1万5000人増加し、2018年には政令指定都市を除き転入超過数で全国1位となった。
▲流山市にあるコミュニティスペース「machimin」。使われていなかった元タクシー車庫を改装しつくられた
新住民と元々の住民が混在する中、machiminは昨年4月に発足した。ここでは、地域活性事業として住民同士による菓子製造や、多世代交流などを行っている。立ち上げ時、地域住民からの中古品の寄付によって必要な備品を揃えて運営をスタートさせた。運営する中で使わなくなったモノに関しては、「譲ってほしい」という住民たちへの譲渡も行ってきた。
「初めてここを知った時、まさに"リアル版ジモティー"と感じました」(宮本氏)
ジモティー利用者からオーダーメイド受付け
協業としてまず、ジモティーのサイト上に「machimin」のアカウントを開設し、4月より情報発信の手助けを行っている。そこでは、近所から集めたベビーベッドや業務用ミシンといった不要品の情報を掲載するほか、「○○円で着物のアップサイクルを、オーダーメイドで承ります」と発信するなど、地元住民の特技を生かした投稿もある。 「今までmachiminを知らなかった地元在住の方々に、ジモティーを通し知る機会となれば」(宮本氏)
machiminには、地域に住むシニアや子育て世代の人たちがボランティアとして参加し、普段自分たちが趣味で行っているハンドメイドのスキルを発揮している。これまでもリユース着物から、ネクタイやメモ帳ケースなどのアップサイクル品の製作・販売を行ってきた。今後もジモティーとの連携を強化し、この活動を活発化させていく。
販売利益はmachiminの運営費に充てられていく。
第463号(2019/05/10発行)12面