《話題の会社》サンルビ、EC出品システムで月商9倍 値付け自動化で作業1/6に
2019年07月18日
・中古DVD、コミック卸売「サンルビ」月間売上高約900万円に
・自動出品システムで転機、価格付けでスピード向上
・システムを他社に紹介も、Eコマース活性化を目指す
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▲ずらりと並ぶDVD。これらを1枚1枚クリーニングしてから注文者に発送する
中古DVD・コミック等の卸売を行うサンルビ(東京都板橋区)は、ECモールによる小売り事業が好調だ。
楽天、Amazon、ヤフオク!の3つのECモールに中古DVD・CDを出品する同事業の売上高は、月間約900万円。右肩上がりを続けるEコマースの背景について、同社の大畑雅俊専務に聞いた。
市場変化で販路開拓へ
同社は閉店するレンタルショップやセルショップ等からDVDやCD・コミックを買取り、リアルショップやECショップ等に商品を卸す会社だ。しかし、2010年頃から業界は飽和状態に。
「レンタルショップの閉店数は増える一方で、開店数は減少の一途です。そのため、ECモールを使った小売を自社でも開始しました」(大畑専務)
当初は楽天で「DVDZAKUZAKU」という名称で販売を開始。豊富な品揃えが武器だが、それでも売上高は月間30〜100万円程度を推移していた。
▲ツイッターでは、DVDZAKUZAKU店長・柴犬のザクシバがおすすめ映画を紹介
自動出品で激的省力化
転機を迎えたのは2015年5月。取引のあるシステム会社が開発した中古商品の自動出品システムを導入したことだ。
メリットは3点。1つ目は自動で商品の価格調査が行われ、最適価格が分かること。2つ目は商品のバーコードを読み込むだけで、瞬時に商品情報が入力できることだ。
「通常、同じ商品の相場を1つずつ検索し、出品額を決める必要があります。しかしこのシステムはバーコードを読み取るだけで『商品の最低価格』ではない、適正価格が割り出せます」(同氏)
出品作業の中で時間がかかる『価格付け』の自動化等により、出品スピードが向上。システム導入前の作業時間は一人当たり30枚/1時間だったが、導入後は同200枚に改善。作業効率は約6~7倍上がった。
3つ目は、1回の出品で楽天、Amazon、ヤフオク!の3つのECモールに同時出品が出来る点。
「商品が2つ以上のモールで同時に購入される事例は滅多に起きないので、トラブルもほぼありません。1回の作業で3モールに出品できることは、省力化にかなり貢献しています」(同氏)
Eコマースで業界活性化
システム導入により、これまで好調時でも月額100万円前後だった売上高は、3ヵ月で月間300万円に急成長した。現在は楽天市場で「DVDZAKUZAKU」の他、「BANKSIDECINEMA」「DVDGANGAN」の3店舗を運営。Amazon、ヤフオク!でも出店し、売上高は月間900万円をキープする。
同社は今後、業界活性化に向けてシステムを他社に紹介することも考えている。「システムを活用すればECモール出品のハードルが下がるので、様々な方がEコマースに参入してくれれば」(同氏)
第467号(2019/07/10発行)10面