【この店で一番高いモノはこれだ!Vol.1】ペンクラスター、国際連合50周年記念エディション 幻と消えたシンボルカラー万年筆
2019年09月23日
この店で一番高いモノはこれだ!Vol.1
ペンクラスター(東京都中央区)
国際連合50周年記念エディション
幻と消えたシンボルカラー万年筆
様々な業態のリユース店を訪問し、その時点で店頭に並ぶ一番高い商品を紹介するこのコーナー。第1回目はヴィンテージ万年筆専門店の「ペンクラスター」。ホームページでも紹介されている最近入荷したブルースカイのモンブランは、世界に10本あるかないかの稀少品です。
▲モンブラン 国際連合50周年記念エディション・プロトタイプ 色:スカイブルー
今回登場する一番高い商品はヴィンテージ万年筆の「モンブラン国際連合50周年記念エディション・プロトタイプ」、価格80万円だ。
1995年、国際連合は創立50周年を迎えた。彼らは内輪の職員に記念品を配布することを計画し、ドイツのモンブラン本社に記念万年筆の製作を依頼した。ところが、理由はわからないが計画は頓挫し、世界に10本あるかないかの試作品(プロトタイプ)が残された。つい最近、ペンクラスターが買い取ったのがその内の1本だ。持ち込んだのはドイツ本国のモンブラン関係者だったという。
万年筆はモンブラン・マイスターシュティック146をベースとし、ボディは国際連合のイメージカラーである鮮やかなスカイブルー。キャップリングには"MONTBLANC MEISTERSTÜCK EDITION"の刻印があるが、これはオリジナルに手を加えた改良版であることを示している。
国内には2本のみ
色が黒なら8万円
「当社が知る限り、日本国内にはこれを含めて2本しかありません。もう1本は他のお店で購入した顧客がお持ちになっています。色が黒なら、通常7〜8万のものですが、限定品よりさらに稀少で、ヴィンテージの中でも極めてクオリティの高いミントコンディションであるため、この価格になりました」と當間清孝代表。
数年前まではコレクターが高額商品をよく購入していたが、この2〜3年は10万円を超える商品は売れなくなってきているという。とはいえ、世界には家が買えるほど高額の万年筆もある。稀少性を考えれば、欲しいと思うコレクターがきっと現れることだろう。
▲上記は映画、「三丁目の夕日'64」で作家役の吉岡秀隆氏が演じた作家・茶川が使用した"そのもの"。1950年代に製造された最高のモンブラン・セルロイドの一つで価格は¥398,000。付属品として「続・三丁目の夕日」DVD、吉岡秀隆氏直筆原稿、スケジュール表が付く
▲店舗にはモンブランを中心に常時100本程度のヴィンテージ万年筆が展示販売されている。最近は来店して購入するよりも、ネットを見たか口コミで商品を知った海外のコレクターか富裕層がお客の大半を占める
海外富裕層から依頼されたハンドメイド万年筆も自ら製作
當間代表は元本田技術研究所の社員。部品素材のアルミニウムの活用法を考えるうち、万年筆に興味を持ち、製造・修理の第一人者・久保幸平氏に師事した後、13年前に開業。修行時代に築いた人脈を駆使して主にモンブランの買取・販売を手がける傍ら、インドや中国・台湾などの富裕層から注文されたオーダーメイド品を製造している。通常の2倍の大きさのもの、飼っている犬をペンに蒔絵したもの、漆塗りの特注品など、世界に唯一無二の万年筆は材料も特別なら製作に時間もかかり、価格は30万円以上するものがある。
▲當間清孝代表
第471号(2019/09/10発行)17面