オムニチャネル化で売り買いをそれぞれ便利に
中古ホビーやメディアのネットショップ「駿河屋」で知られるエーツー(静岡県静岡市)。中古通販実績は業界内で1位2位を争うほど存在感が高く、またコロナ自粛下では巣ごもり商品のネット販売が好調だ。近頃はマルイへの駿河屋出店など、リアル強化も図っている。同社の戦略は全て「オムニチャネル」を通じた売り買いにおける利便性の追求だ。杉山綱重社長に話を聞いた。
エーツー(駿河屋)杉山綱重 社長
4月以降通販売上2割増「ネットは災害に強い」
── 御社と言えば本紙が調査している中古売上ランキングの通販部門では毎年1〜2位にいます。商材もホビーやメディアなど巣ごもりに強く、コロナの影響をあまり受けていないのではないですか。
杉山 当社の通信販売で言いますと、4月からずっと売上は前年比120%程度で推移。巣ごもり商材では、例えばジグソーパズルやボードゲームなど色々なものが売れています。通販の受注自体は非常に好調です。一方、店舗販売については郊外の店舗は前年比でプラスの所もありましたが、当社ではマルイ様など商業施設にも入らせていただいており、そういった施設自体が営業できないため当社も営業できなかったことが影響しました。通販と店舗を合わせた4〜5月の売上は前年比で80%程度でした。現在は営業自粛や時短もなくなり、前年比プラスの店・マイナスの店に大きく分かれてはいますが回復傾向にあります。7月の店舗売上は前年比103%程度となりました。
── やはり、ネットは好調のようですね。
杉山 お客様には当社のサイトや店舗など色々なチャネルにアクセスし、商品を買うのも売るのも、一番便利なかたちで使っていただきたいと思っています。いわゆる「オムニチャネル」化はコロナと関係なく構築してまいりました。北海道から九州にかけて都市にも郊外にも店舗がある中、全店がネットで販売することができるマーケットプレイスを持っています。コロナのような感染症は今後も一定周期で起きますし、日本ですので地震や豪雨も起こる。ネットはあらゆる災害に強いんだなということを感じさせられました。
第495号(2020/9/10発行)9面